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2022年忘年会、6割が「参加」の意向。ワタミは「前日までの宴会キャンセル料無料」実施

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画像素材:PIXTA

師走まで10日を切った。3年ぶりに行動制限のない忘年会シーズンとなるが、今年はどのような動向が予想されるだろう。現在は、屋外でのマスク着用は原則不要など、ウィズコロナの風潮が進んできているものの、同時にコロナ第8波や、インフルエンザ同時感染への警戒も日に日に強まっている。今回はこうした状況で迎える、2022年の忘年会需要について考察する。

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職場の忘年会実施率は昨年より上昇するも、コロナ禍前の半数以下

Job総研が、20代から50代の社会人770人を対象に実施した「2022年 忘年会意識調査」によると、職場の忘年会を「実施する」のは31.4%、「実施しない」が68.6%で、今年も忘年会の自粛傾向は継続している。コロナ禍前の2018年には73.5%が実施していたことに比べれば、実施率は半数にも満たない。ただし最も低かった2020年の10.8%から、翌年は18.7%、今年は31.4%と、着実な増加傾向にあることは間違いない。

Job総研による『2022年 忘年会意識調査』より

一方で、「今年職場で忘年会が実施された場合の参加意欲」について聞いた質問では、「進んで参加する」が34.5%、「気は進まないが参加する」が28.8%となり、合算では63.3%が「参加する」意向を示している。企業としてはまだまだ積極的に実施しづらい情勢にあるようだが、個人の参加意欲に関しては徐々に戻りつつあることがわかる。

Job総研による『2022年 忘年会意識調査』より

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ワタミ「前日までの予約キャンセル料を無料」で他社優位性をアピール

こうしたなか、ワタミ株式会社では同社で展開する『ミライザカ』と『三代目 鳥メロ』計193店舗において、「宴会予約前日まで キャンセル料いただきません!!」と銘打った異例の「前日までの予約キャンセル料を無料」キャンペーンを開始した。宴会の前日キャンセルは店にとって大きな損害だが、そのリスクを抱えてでも予約獲得を優先する強気の姿勢である。

このキャンペーンを打ち出した根拠は、同社が実施した調査結果にある。その調査によれば、コロナ禍で飲食店をキャンセルしたことのある人は13%と、コロナ理由でのキャンセルは実際のところ少数であることがわかった。その一方で忘年会予約をする人の47%、つまり約半数がキャンセル料の発生を心配していた。このことから「キャンセル料の免除」をすることで、忘年会予約に対する客の心理的なハードルをさげ、他店よりも自店を選んでもらう優位性をつくっている。忘年会の実施数が減っているなかで、いかに自分の店を選んでもらうかという視点での思い切ったキャンペーン内容といえる。

Go Toイートなどの後押しもあり、12月を目前に忘年会のスケジュール調整や会場予約は徐々に始まっている。基本的な感染対策をほどこしながら、戻りつつある忘年会需要に向けて準備を進めていってほしい。

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。