飲食店ドットコムのサービス

『おじんじょ』高丸氏が自身の飲食店経営をシビアに評価。2022年のリアル“通信簿”大公開

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

新店にも関わらず、『祐天寺Bob』では若い授業員の頑張りでリピーターがしっかり定着しつつある

集客面の評価は「2.5」。『高丸電氣』については接客をより強化して「また来たい」と思ってもらえる店に

――集客の様子はいかがでしたか? 5段階評価で教えてください

「3店舗合わせて『2.5』ですね。『祐天寺Bob』に関しては新店ですが、従業員が頑張ってくれているおかげで、店と人を愛してくれるリピーターが着々と増えています。一方で、多くの課題が浮かび上がったのは『高丸電氣』です」

■ハード面の独自性が薄れてしまったことで、立地の悪さによる影響が顕著に
「非日常感をコンセプトにした『高丸電氣』は、厨房風の内観など、インパクトのある店作りが特徴。しかしここ2~3年、私が先駆けて取り組んできた“映えるネオン”や“異国の屋台風・アパレル風のおしゃれなデザイン”などを取り入れる飲食店が急増し、『高丸電氣』ならではのハード面の独自性がやや薄れてきてしまったように感じています。似たような雰囲気の店舗がほかにあれば、当然お客様は立地が良い方に流れますから、渋谷駅からも恵比寿駅からも徒歩8~10分かかる『高丸電氣』は、そうした点でやや不利です。

だからこそ、今後は接客をはじめとするソフト面により力を入れ、奇抜さを除いても『また来たい』と思っていただける店舗にしなければならないと考えています。リピーターを増やすための新たな工夫を考える段階に来ているということですね」

『晩酌屋おじんじょ』は顧客のファン化に成功。リピーターの方に心地よく楽しんでもらえる店舗作りに力を入れている

【注目記事】“最強”居酒屋『おじんじょ』のアフターコロナ。危機を乗り越えたポジティブシンキング

アパレルとのコラボなど、新たな挑戦に手応え。一方でサービスの基本に立ち返る努力も

――新たに何か試したこと、挑戦したこと、始めたことなどはありましたか? また、その評価についても教えてください

「新しいチャレンジにつながる施策の評価は、3店舗合わせて『2』です。昨年最も新しいことにいろいろ挑戦したのは『高丸電氣』でしょう。アパレルブランドとのコラボレーションや、ポップアップスペースでの営業を行ったことで、今までとは違った層のお客様も訪れるようになりました。従業員も楽しく取り組めていたので、機会があればまた挑戦したいと思っています」

■改めて“サービス”とは何か。若い従業員にこそ、そこを深堀りしてもらいたい
「『晩酌屋おじんじょ』については、逆にほぼ新しいチャレンジはせず、基本に返る店舗運営を意識しました。リピーターを中心としたお客様には、心地よく過ごしていただくことを第一に考えています。もちろん、変化がないと飽きられる危険性もあるので、メニューなどは常に刷新していますが、奇抜な試みなどは控えています。

『祐天寺Bob』はそもそもまだ新しい店舗なので、経営を軌道にのせること、基本の店作りをブラッシュアップさせることに注力しました。ほとんどの従業員が20代半ばなのですが、彼らには“サービス”というものをもっと深堀りしてほしいと思っています」

――サービスについて深掘りするとは、具体的にはどのようなことですか?

「接客においては会話の内容や自己アピールも重要ですが、“サービス”とはもっと総合的なものだと考えています。つまり、一方通行のおもてなしではなく、目の前にいるお客様がまた来たくなるような気づかいや、満足感を生む雰囲気作りなど。若いスタッフには、お客様が心地よく感じるサービスについて、表面的にではなくもっと深く考えてもらいたいと考えています。焦らずじっくりやっていきたいですね」

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
支倉律花

ライター: 支倉律花

教員として学校に勤務しながら、グルメ・エンタメなど複数のWebメディアで記事の執筆を行う。現在はフリーランスのライターとして、教育・医療系媒体を中心に取材・執筆を担当。映画館に週4で通うのが趣味。