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飲食店の「Web集客」実施率は約2割。インスタ活用が最多も、消費者の多くはGoogle推し

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画像素材:PIXTA

飲食店の集客サポートサービス「飲食店お助けチーム」を運営する株式会社ユニワークは、小規模飲食店を対象としたWeb活用に関する意識調査を実施した。この調査結果によれば、多くの飲食店が売上や集客への課題を感じているものの、Webを活用した集客に取り組んでいる店舗は17.6%と、比較的少ないことが明らかになった。

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■調査概要
調査対象:以下の条件をすべて満たす方
・飲食店経営者、もしくは店長など決済権を持つ方
・1店舗経営
・従業員数10名以下
回答数:408
調査期間:2022年11月17日〜21日
調査方法:インターネット調査

当面の課題について約6割が「集客」と回答も、Web集客を実施しているのは2割以下

まず、飲食店経営の当面の課題について聞いた質問では、64.5%が「集客」と回答。61.3%の「原価高」とともに、店舗としての利益確保が最大の悩みであることがわかる。

株式会社ユニワーク「飲食店お助けチーム」による意識調査より

次に課題解決のために取り組んでいる、または検討している施策について尋ねた質問では、「価格の見直し」や「メニューの見直し」など、原価調整にあたる施策が上位を占めた。一方で、「店頭販促」「ソーシャルメディア活用」「ウェブサイト制作」「チラシ配布、ポスティング」「雑誌広告」といった直接的な集客施策を挙げる割合は比較的少なく、なかでもWeb集客を実施していると回答したのは17.6%にとどまった。

株式会社ユニワーク「飲食店お助けチーム」による意識調査より

とくにSNS活用やウェブサイト制作などといったWeb集客が、売上にどのぐらい影響すると思うかという質問に関しては、23.5%が「売上への影響がほとんどない」と回答。回答者の60%以上が「売上の20%以下」と回答しており、小規模飲食店のWeb集客の影響力に関する期待度の低さが明らかとなった。

またWeb集客を行わない理由としては、「知識がない(38.6%)」「自分の店に適していない(34.8%)」「興味がない(23.8%)」「理解できていない(19.0%)」といった回答が上位を占めた。費用や手間といった問題以前に、まずWeb集客に対する知識や興味が薄いこと、実際に来客につながるイメージがつかないために、その必要性を感じていない様子だ。

株式会社ユニワーク「飲食店お助けチーム」による意識調査より

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飲食店が最も活用するWeb集客ツールは「Instagram」。しかし消費者は?

ちなみに、現状で取り組んでいるWeb集客施策について尋ねた質問では、「Instagram」と「Facebook」を挙げる回答が上位となった。いずれも無料で使えるツールであり、情報更新が比較的簡単であることも人気の理由の一つだろう。

一方、2022年8月にテーブルチェック社が発表した「グルメサイトに関する意識調査」を見ると、飲食店を検索する際、よく利用する手段として「Google」を活用すると答えた消費者が9割近くいるのに対し、「SNS」は14.5%という結果に。この例だけをみると、飲食店側と消費者側の主な活用ツールには若干のずれがあるようにも見受けられる。

株式会社TableCheck「グルメサイトに関する意識調査」より

世代によって多少の差はあると思われるが、インターネットによる情報検索が当たり前になったいま、小規模飲食店においてもWeb集客の重要性は高い。費用対効果についても、まずは低コストの施策を一定期間試してから検討するなど、改めて見直す価値はありそうだ。

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。