新型コロナ、5月8日から「5類」移行。飲食店がマスク解除の時代に改めて意識すべきこと
2023年3月13日からマスクの着用が個人の判断に委ねられるようになり、世の中は本格的なウィズコロナ、アフターコロナに移り変わりつつある。こうしたなか、5月8日からは新型コロナウイルス感染症の分類も正式に「5類」へと移行。季節性インフルエンザと同じ扱いに引き下げられる。マスクの着用を含め、すでにさまざまな制限が解除されて久しいが、5類になることで何が変わるのか、また飲食店としてどのような認識をもっておくべきなのか、改めて紹介する。
【注目記事】初の立ち上げで月商700万円達成の渋谷『大人気』。集う人を幸せにする兄弟の唯一無二の店づくり
今後マスク着用率が下がるにつれ、陽性者数は増加するという推定データも
新型コロナウイルス感染症は、もともと感染症法上の2類相当とされてきたが、2021年2月から「新型インフルエンザ等感染症」に分類されていた。この分類が5類になることで、政府による緊急事態宣言や感染者の外出自粛要請などがなくなるほか、マスクの着用も個人の判断に委ねられるようになる(マスク着用ルールの緩和は、5類引き下げに先駆けて3月13日より実施)。また自治体によっては、飲食店の新型コロナウイルス感染防止対策への取り組みに対する「認証制度」廃止の動きも増えてきている。
しかし当然ながら、新型コロナウイルス感染症の分類が5類になったからといって、ウイルス自体がなくなるわけではない。名古屋工業大学の平田晃正教授のグループは、AI(人工知能)を使って今後の新規感染者数を試算。ほとんどの人がマスクを着用している場合は、8月下旬の時点で1日あたり約4,100人の新規感染者数が見込まれる一方、マスクの着用率が20%となった場合、約6,900人になるという推定値を発表した。
政府による要請がなくなるとはいえ、飲食店では十分な換気や、手洗いの徹底など、基本的な感染対策は引き続き行っていくべきだろう。
【注目記事】『渋谷 半地下酒場』24坪で月商1,500万円。「飲食店は、物件ありき」の真意を聞く
5類移行後は、新型コロナ発症後の療養期間も「個人の判断」へ。目安は5日間
また今後、自店の従業員が新型コロナウイルス感染症を発症した場合は、どのように対応するべきなのか。
現在(5類移行前)は、発症翌日から7日間経過し、症状軽快後24時間が過ぎるまでを療養期間とし、原則外出を控えるよう要請がなされている。しかし、5月8日の5類移行後は、発症翌日から5日間経過し、症状軽快後24時間が過ぎるまで外出を控えることが「推奨」される。これは厚生労働省による療養期間の考え方であり、あくまでも推奨だが、飲食店経営者としてはひとつの判断基準として知っておきたいところだ。
今後はこうしたデータや目安をその時々の状況と照らし合わせつつ、個人の判断において適切な場面でマスクを着用するほか、高齢者との接触を控えるといった対応が求められる。飲食店ではお客とのコミュニケーションや対応に悩む場面も少なからずあるだろう。多くの人が食事をする場所として、最低限の感染対策は続けていくという意思表示のためにも、引き続き消毒スプレーや注意喚起のポップなどは設置しつつ、安心安全な営業を続けてほしい。
