15坪で月商610万円『あわよくばあー 渋谷』。業態転換後、20代女性をターゲットにV字回復
若年層の食欲を満たすボリュームがポイント
『あわよくばあー 渋谷』が20代女性の支持を獲得できたポイントは何か。やはり、InstagramやTikTokなどのSNS投稿を促す、フォトジェニックなメニューの数々は強みだろう。しかし、そのほかにも20代女性を意識した工夫をさまざまに凝らしている。
『あわよくばあー』は店ごとにメニュー構成が異なり、渋谷店は「野菜巻き揚げ串」、「湯葉しゅうまい」(430円)、「汁なし痺れ坦々麺」(590円)をフードメニューの名物にしている。野菜巻き揚げ串は単品7品(290~390円)と5串盛り合わせ(1,530円)をラインアップ。
「『あわよくばあー』の1、2号店は串焼きがフードの柱。渋谷店は炭火を使用できない物件だったため、野菜巻き串を揚げる形にしたのですが、これがいい結果につながりました」(加藤氏)
レタスやトマト、アボカドなどさまざまな野菜を用いた野菜巻き串は色とりどりの商品ビジュアルも売り。焼くとやや色あせてしまうが、揚げると逆に色鮮やかになって商品がより写真映えするようになった。しかも、「揚げることによって食べ応えも増すため、若者のニーズにぴったり合った商品に仕上がったのです」と加藤氏は続ける。
一方、「湯葉しゅうまい」は焼売を湯葉で包み、豚肉にスーパーフードのもち麦を合わせることでヘルシー感を打ち出したが、ここでも1人前80gとボリューム感を追求している。汁なし痺れ坦々麺は1杯を複数人でシェアするのではなく、1人1杯を想定したサイズ設定。加藤氏曰く「名物メニューだけでも女性であればお腹いっぱいになる」よう、満足感のある商品サイズに仕上げている。
