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15坪で月商610万円『あわよくばあー 渋谷』。業態転換後、20代女性をターゲットにV字回復

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写真左から「果実たっぷりごろごろサワー」の「イチゴ」と「マンゴー」(各870円)と「クリームソーダサワー」(760円)

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動画映えを狙った「色の変化するサワー」を導入

ドリンクメニューについてはフォトジェニックな商品の品揃えに力を注いた。季節のフルーツをたっぷり盛りつけた「果実たっぷりごろごろサワー」(870円)と「クリームソーダサワー」(760円)が売れ筋だが、「1品1品の商品の見映えはもちろんですが、複数のドリンクを組み合わせて写真を撮られるお客様も多いですから、フルーツサワーは彩りが異なる2種を揃えるようにしています」と加藤氏は説明する。

写真左が提供時の「バタフライピーサワー」(760円)。レモン果汁を注ぐとみるみるうちに色が変わって美しいピンク色になる

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また、動画映えする商品として2022年11月に新たに導入したのが、「バタフライピーサワー」(760円)だ。バタフライピーはタイ原産のハーブティーで、柑橘系の果汁を加えると化学反応で色が紫から赤に変化する。

「卓上でスタッフがレモン果汁を注ぎますが、オーダー用タブレットのライトでグラスを照らすとより美しい動画が撮影できます。そういった動画撮影のサポートによってお客様とコミュニケーションもとれる一石二鳥の商品なんです」(加藤氏)

アルコール注文数2杯でも、アルコール売上げ比率は50%

『あわよくばあー 渋谷』の営業データで注目されるのがアルコール売上げ比率50%を確保していることだ。その要因として挙げられるのがアルコールの価格設定である。売れ筋の「果実たっぷりごろごろサワー」はサワーとしては高単価な870円という値付けで、その他の商品の中心価格帯は540~650円。「果実たっぷりごろごろサワー」にプラス1杯で、客単価2,800円の半額となる1,400円を超えるのだ。

「果実たっぷりごろごろサワー」(870円)をはじめ、サワーやスパークリングワイン、ジントニックなどの「泡のお酒」がアルコールメニューの柱

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【注目記事】『渋谷 半地下酒場』24坪で月商1,500万円。「飲食店は、物件ありき」の真意を聞く

この点も一般的なネオ大衆酒場と異なる同店の特色といえるだろう。ブランド名に表れているように『あわよくばあー』はスパークリングワインなどの『泡のお酒』をメインアイテムとして開発された業態。渋谷店でもグラススパークリングワイン5種類(590~650円)を揃えているほか、国産のクラフトジンを使ったジントニック6種類(640~740円)など付加価値を追求したドリンクの品揃えを厚くしている。

アルコールのトレンドアイテムであるクラフトジンを用いたジントニックを6種類(640~740円)揃えている

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加藤氏に今後の目標を聞いた。

「接客サービスで意識していることはお客様と積極的にコミュニケーションをとることです。20代のお客様はアルコール初心者の方も多いですから、クラフトジンの味わいの特色などをわかりやすくお伝えすると注文につながりやすく、自分の好みのドリンクを発見したお客様は必ずリピートしてくれます。そういった提案型の接客により、若い方々が居酒屋の魅力を発見できるような店にしていきたいと考えています」

店は京王井の頭線渋谷駅近くの路地沿いに立地。周辺には男性会社員をターゲットとした大衆酒場が軒を連ねている(画像提供:株式会社ダイヤモンドダイニング)

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『あわよくばあー 渋谷』
住所/東京都渋谷区道玄坂1-4-19 渋谷マークシティ1F
電話番号/03-5459-1837
営業時間/17:00〜23:00、土日祝16:00〜23:00
定休日/なし
席数/25

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。