坪月商57万円『焼肉一七三』が明かす! カウンター焼肉をヒットさせた極意とは?
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お客の目の前で牛肉をカットする臨場感が売り
『焼肉一七三』は14坪の店内にキッチン一体型のL字カウンター9席とアイランドカウンター2卓計15席を配置。コンクリート剥き出しのシンプルでありながら瀟洒な内装を施している。
「『政ちゃん』の営業スタイルは独特ですから、そのまま持ってきても東京では受け入れられないと考えました。カウンター焼肉の強みはなにか。それを分析した上で、お客さまの情報感度が高い恵比寿というエリアに合ったカウンター焼肉を開発しました」
そして、カウンター焼肉の強みとして稲見氏が挙げたのが、「ツーオーダーで牛肉をカットする焼肉のクオリティ、そしてお客さまと距離が近い接客」の2点だ。
和牛を用いた焼肉メニューは約30品をラインアップし、カテゴリーは大きく3つに分けられている。名物は10グラム単位で注文できる「厳選牛の塊 量り売り」であり、ハラミとヒレ肉をそれぞれ100グラム3,500円~で提供。そのほかに盛り合わせ3品2,200円~、アラカルト約25品を用意している。
牛肉は肩ロースやウチモモ、タンなどの部位ごとに塊肉の状態でスタンバイし、注文ごとにカット。それが焼肉の品質アップにつながっているのは言うまでもないが、L字カウンターの目の前で牛肉をカットして臨場感を演出していることも見逃せない。

写真左は「特選和牛盛り合わせ」200グラム4,500円、同右は「厳選牛の塊 量り売り 塊の特上ハラミステーキ」100グラム3,500円(写真は200グラム)。ハラミステーキは味つけをガーリックバターとからし醤油から選ぶことができる
カウンター焼肉の醍醐味が味わえる焼肉の量り売り
一方、牛肉をカットしながらお客と会話を交わすなど、積極的にコミュニケーションをとっていることが接客の特色。「これは商品のクオリティコントロールにおいても大事なポイント」だと稲見氏は説明する。
「会話に夢中になっていて焼き過ぎてしまう、というのは焼肉ではよくあること。肉を焼くのもお客さま任せにせず、『もう焼けていますよ』『裏返すのはまだ早いですね』などと、ややお節介なくらいに口を挟むことで最適な焼き加減で焼肉を食べていただくことができるわけです」
そして、これらのカウンター焼肉の強みを活かした商品が「厳選牛の塊 量り売り」だ。注文を受けるとまず桐箱に入った塊肉をお客に示し、それから注文のサイズにカット。塊肉は火入れが難しいため、スタッフの手で焼きあげている。焼き台に乗せたまま、仕上げにガーリックバターやニンニク醤油などをトッピングして臨場感を創出。カウンター焼肉の醍醐味を味わえる商品として量り売り焼肉の組客当たり注文率は90%にもおよんでいる。
