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「普段使い」の需要獲得で坪月商50万円超え! 幡ヶ谷『ミヤザキ商店 はなれ』の実直な店づくり

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10年以上苦楽を共にしてきた2名の社員と宮崎氏(中央)

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グルメサイトの高得点よりも欲しいもの

原価率を抑えるための努力や、お客への細やかな気配りはさすがの一言。それにしても、坪月商50万円を超えるまでに店を成長させた一番の要因は何なのだろうか。宮崎氏に尋ねると、謙虚ながらも実直な答えが返ってきた。

「本当に地道に日々のサービスを積み重ねているだけで、特にスペシャルなことはやっていません。美味しいと思ってもらえるメニューを出そうとか、ロスを減らそうとか、そんなことを毎日考えているぐらいでしょうか。要はどこの店舗でも大事にしていることのクオリティーを、どれだけ突き詰められるかですね。うちは『普段使い』をコンセプトにしているので、派手なことはせず、居心地のいい店であり続けることを大切にしています」

たとえば、料理を提供するときには『器が熱いので気をつけてください』とお声がけする。宮崎氏はこうしたちょっとしたホスピタリティーの積み重ねが店の信用につながり、お客がお客を呼ぶ流れを作っていければいいと語る。

「グルメサイトのレビューで高得点をいただくことも嬉しいですが、近隣住民の方の心を掴むには、お知り合いの誰かに『あの店よかったよ』と言ってもらえる方がもっと効果的なはずですから」

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幡ヶ谷といえば『ミヤザキ商店』と言われるぐらいに

宮崎氏はこれまでの経験から、心に決めていることがあるそうだ。それは、仕事をする上で何よりも「人」を大事にすることだという。

「人がいなければ当然店も回らないわけで、僕だけの頑張りではここまでやってこられなかったと思います。『はなれ』で働く2人の社員とは10年以上の付き合いですが、アルバイトのスタッフも含めて常に感謝しています。もちろん来店してくれるお客様や、幡ヶ谷の街にもありがとうという気持ちを忘れたことはないですね」

最後に、宮崎氏が目指す理想の店について聞いた。

「理想というか、超理想でいいなら、幡ヶ谷といえば『ミヤザキ商店』と言ってもらえるくらいの存在になりたいですね。20年近く飲食店をやってきましたが、これまで一度も100点満点だったと思える日はないので、そこを満点にできるように地道に頑張っていきたいと思っています」

また食べたいと思わせる料理のクオリティはもちろん、立地、価格、接客の面から「普段使い」しやすい店の在り方を追求し、現在の繁盛につなげた『ミヤザキ商店 はなれ』。基礎を忘れず、地道な努力を重ねることの大切さを再確認した。

店舗外観。連日多くのお客を迎え入れている

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『ミヤザキ商店 はなれ』
住所/東京都渋谷区幡ケ谷1-2-7 松井ビル1F
電話番号/03-6276-3883
営業時間/17:00~翌2:00(L.O. 1:00)
定休日/不定休
席数/40(カウンター16、テーブル24)

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松嶋三郎

ライター: 松嶋三郎

フリーランスのライター。堅いネタから柔らかいネタまで、週刊誌やビジネス誌など紙・Web問わず多数のメディアで執筆中。「書く記事はジャンルも内容も媒体も食わず嫌いしない」がモットー。 https://twitter.com/matsushima36