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『青山ぼこい』が常連客に愛され続けるワケ。高級店が連なる表参道で“庶民派”を貫く

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アルコールは10銘柄前後を常備する日本酒が柱。ハイボールやサワーも用意しているが、メニュー表には表記せず、お客から要望があった時に口頭で案内する

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手頃な価格が求められるのはどこでも同じ

冒頭でも述べた通り、『青山ぼこい』が店を構える骨董通り周辺は高単価な飲食店が数多く軒を連ねている。「店の周辺が大きく変化したのはバブル経済期。それまではオフィスと住宅が混在する比較的静かな街でしたが、バブル期に高級ブティックが次々とオープンし、高単価な外食店も急増しましたね」と秋男氏は振り返る。

そして、商環境が変化する中でも単価アップに走らず、庶民的な居酒屋のスタイルを貫いてきた理由について「息の長い店にしたかったから」と説明する。

「表参道に数多くのグルメ、ファッションの高級店があるのはそれだけのマーケット規模があるからに他なりません。一方で、手頃な価格で美味しい料理とお酒を楽しみたいというニーズはどの街にもあります。これは決してなくならないニーズですから、そこで戦っていくことが息の長い商売につながると考えているわけです」

ただし、言うは易く行うは難し。仕入れと保存に工夫をしているとはいえ、高品質、低単価を維持するために原価率は40%を超えており、家賃相場が高いエリアでもあるため、利益幅は小さい。「兄弟でやってきたからこそ、成り立っているともいえます。ふたりとも60歳を超えたため、どこまで続けられるかはわかりませんが、常連のお客様の笑顔が元気の源になるため、できる限り店を続けていきたいですね」と秋男氏は力強く語った。

『青山ぼこい』
住所/東京都港区南青山5-13-2 南青山池田ビル2F
電話番号/03-3407-2031
営業時間/17:00~22:00
定休日/日・祝
席数/15

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。