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牛たん特化の人気居酒屋『野方 たん純』。リピーターが惚れる注文率9割の看板メニューとは?

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内装は間仕切りなどを活用。写真手前側と奥側のテーブル席は壁の模様を変えたほか、カウンター席も異なる雰囲気になるようデザイン

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人通りを徹底的にリサーチした結果「野方」に決めた

『鶏や まると』の退職後、準備を経て2019年11月16日に『野方 たん純』をオープンさせた粕谷氏。野方駅というローカルなエリアを選んだ理由は?

「通行人が多い中野駅周辺で探していた際、知人から『隣の野方も結構いいよ』と聞いて。下見に行くと、通行人の導線が集中していたことが決め手になりました」

野方駅は普通列車しか停車せず、大きな会社があるわけでもない、いわゆる帰ってくる駅だが、粕谷氏はあることに気が付いたという。

「野方駅の周辺には商店街が5つあるんですが、『たん純』がある駅の北側にはその内の1つしか商店街がなく、人の流れがばらけにくいんです。人通りが集中すれば目に付きやすいだろうし、中野エリアに比べて家賃が安いのも魅力でした」

物件を決める直前、粕谷氏は数日に渡って張り込み、通行量を念入りに調べたという。

「時間帯や曜日によってどんな人が歩いているかを知っておくことで、店の方針の参考にできると考えたからです。人数はもちろん、男女比や年代のほか、『スーツを着てるから仕事帰りだろうな』といった分析もしたり、かなり細かくデータは取りましたね」

店舗の内装を決める際にも通行量のデータが役に立ったと粕谷氏は続ける。

「デザイナーさんから上がってきた最初の図面では、カウンターが北向きになっていたんですが、逆の南向きにしました。というのも、事前調査で夕方から夜の人の流れは駅から帰路につく人が多く、北向きに歩く人が多いことがわかっていたから。当初の北向きだと歩く人の背中しか見えないので、店に入ろうか迷っている表情すら読めませんから」

店の奥にある、掘りごたつ式の個室席も通行量調査の結果から作ったそうだ。

「土日など、休みの日になるとファミリーで歩いている人も多くいたので、赤ちゃんや小さいお子さんがいても気兼ねなく利用できるようにと作りました。その狙い通り、ファミリーのお客様も多く来店されてますよ」

視認性が高く開放的な入り口。カウンターからでも人通りがしっかり見える作りだ

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松嶋三郎

ライター: 松嶋三郎

フリーランスのライター。堅いネタから柔らかいネタまで、週刊誌やビジネス誌など紙・Web問わず多数のメディアで執筆中。「書く記事はジャンルも内容も媒体も食わず嫌いしない」がモットー。 https://twitter.com/matsushima36