竹田クニ氏が語る2024年の外食トレンド。激動の世界情勢、時代と世代による消費者動向の変化を読む
これからの外食市場は、激動する世界情勢、そして時代・世代の移り変わりにより加速度を上げて大きく変化していくという。ホットペッパーグルメ外食総研・研究員の竹田クニ氏に変化の時代真っ直中の外食マーケットの「今」と「未来」について語っていただいた。
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1、外食市場の変化 -激動する世界情勢、時代と世代による変化が大きい-
23年5月に新型コロナが「5類感染症」に移行してから市場は急回復し、インバウンド復活も含め、日本の外食は以前のような賑わいを取り戻しつつあるように感じます。しかしながら、外食マーケットがコロナ禍前に戻ったわけではなく、市場には新たな潮流が生まれてきており、それはコロナ禍だけでなく、戦禍や気候変動といった激動する世界情勢、またミレニアル・Z世代が消費の主役世代として影響力を増してきていることが大きいと考えられます。
コロナ禍は確かに外食産業にとって大きな受難でありましたが、現在、そしてこれからの市場の動向を見るには、コロナ禍を含む世界情勢の大きな変化、時代・世代の変化をみていくことが大切だと思います。以下、「変化」のポイントを定量、定性の観点からピックアップしてみました。それぞれの要点について解説していきたいと思います。
<定量的観点>
・「会社宴会→プライベート」へと消費者の利用シーンが変化
・アルコール・ダイバシティの浸透
・コロナ禍前比の外食市場規模は食事業態9割、飲酒業態7.5割に回復
<定性的観点>
・“消費のあり方”を問う意識がより高まった
・日常食は節約、娯楽は思い切って…とメリハリのある外食消費
<定量的観点>
■外食機会は会社・仕事→プライベートシーンへシフト
以前の記事でも会社宴会や接待需要の減少を予測していましたが、コロナ禍を境にしてその傾向がはっきりと表れました。
首都圏における外食の利用目的を尋ねた「外食シーン」では、コロナ禍前はオフィシャルな外食利用が行事・非行事を合わせて全体の15.6%を占めていましたが、それが2022年度の調査では11.8%と3.8ポイントも減っています。
「誰と一緒に外食をしたか」を尋ねた「外食の相手」でも、コロナ禍前は「職場・学校仲間」「取引先・お客様」の割合が計14.2%だったのに対し、2022年度の調査ではそれが計10.1%まで減少。代わりに増えているのが「家族・親族」「夫婦」「恋人や異性2人で」「1人」で、コロナ禍前は65.9%でしたが、それが70.6%に増えています。
これらのデータから、職場に紐づく飲酒機会が減少し、家族、友人、恋人とともに過ごすプライベートシーンへのシフトが進んでいる傾向にあることがわかります。
