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『しゃぶ葉』『ドミノ・ピザ』など飲食店で続くバイトテロ。今すぐできる対策とは?

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飲食店のアルバイト従業員による不適切な行為、いわゆる「バイトテロ」。2月に入り、いくつかの飲食店でこうした動画が撮影、拡散されたとして話題になっている。一度こうした問題が起きれば、イメージや売上の低下はもちろん、衛生面の対応、消費者への謝罪などに追われることもあるだろう。そこで今回は、2月以降飲食店で起きたバイトテロの概要をお伝えするとともに、防止対策について解説する。

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飲食チェーンのアルバイトによるバイトテロ動画が拡散

2024年2月上旬、埼玉県伊奈町にあるしゃぶしゃぶ食べ放題・バイキング専門店『しゃぶ葉 伊奈店』でのバイトテロ動画がSNSで拡散された。動画では、アルバイト従業員がほかの従業員から羽交い締めにされ、口の中にホイップクリームを流し込まれる様子が映っている。『しゃぶ葉』を経営するすかいらーくホールディングスは、『しゃぶ葉』で撮影された動画だということを認めて謝罪した。この動画は、2月2日の閉店後に、破棄予定のホイップクリームを用いたものだとし、これまでも従業員に指導してきたものの、これからも再発防止に努めるとしている。

炭火焼干物定食チェーンの『しんぱち食堂 宇都宮店』でも、パート従業員が寸胴鍋を傾けて人の口に液体を直接流し込んでいる様子の動画が撮影され、SNSで拡散された。『しんぱち食堂』を経営する株式会社越後屋によると、この動画は2023年秋にフランチャイズ加盟店である有限会社楽天峯の経営店で撮影されたとのことで、当該パート従業員3人のうち2人を解雇した(もう1人はすでに退職)。

さらに2月12日には、『ドミノ・ピザ 尼崎店』のアルバイト従業員が鼻をほじった指をピザ生地にこすり付けたとみられる動画をSNSでアップし、その日のうちに拡散。動画が投稿された当日夜には、同社が謝罪し同店の営業停止を発表した。

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バイトテロを発生させないための対策とは

このようなアルバイト従業員による迷惑行為は、店舗のイメージや信頼を大きく低下させ、経営にも多大な影響を及ぼす。バイトテロの発生を防ぐためには、どのような対策を行えばいいのだろうか。

■SNSのルールやネットリテラシーの指導
まず、アルバイトを含めた従業員教育を改めて徹底する必要がある。特に食材管理とSNSのルールについてはしっかりと指導しておきたい。飲食店のバイトテロでは、期限切れや売れ残りの商品を使った迷惑行為がよく見られる。当然ながら、食材を粗末に扱うような行為をしないこと、衛生面での注意点などをしっかり伝え、認識させるべきだ。

あわせて、SNSのルールやネットリテラシーを従業員に指導することも重要。バイトテロ動画が拡散された事例を踏まえて、迷惑行為を行った結果、店舗や自身にどのような影響があるのかを具体的に伝えよう。そのうえで、店内にはスマートフォンを持ち込まない、写真や動画撮影は禁止などのルールを設けることも検討したい。

■必要に応じて誓約書へ署名も
店舗のルールは従業員を採用する際に伝え、誓約書に署名してもらうことも方法のひとつだ。ルールを守れなかった場合、どのような処罰になるのか意識させることで、バイトテロの抑止にもつながる。

こうした問題は、飲食店が多大なダメージを受けるだけでなく、デジタルタトゥーとして従業員の今後の人生に大きな影響を及ぼす。指導を徹底するとともに、普段から従業員とよい関係性を構築し、バイトテロが起きにくい雰囲気をつくることも大切だ。

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com