飲食店の「雨の日」対策を約400店に調査。売上アップにつながる施策は?
各地で梅雨入りが発表された。本格的な梅雨シーズンの到来となる。雨の日は客足が遠のきがちで、売上減少に悩む飲食店も多いのではないだろうか。弊社では飲食店ドットコム会員を対象に、飲食店における「雨の日対策」についてアンケート調査を実施した。その結果をもとに、回答者が取り組んでいる「雨の日にできる売上アップの施策」を紹介する。
■調査概要
調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:433名
調査期間:2024年6月5日~2024年6月12日
調査方法:インターネット調査
※詳しい調査結果はこちら
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飲食店の8割以上が天気予報を意識、7割以上が雨の日の来店減を実感
まず、飲食店運営にあたり「天気予報」を意識しているかを聞いた。「とても意識している」が38.6%、「やや意識している」が46.9%と、8割以上の飲食店が意識しているという結果になった。
次に、雨の日は来店数に影響があるかを訊ねると、72.5%が「来店数が少ないと感じる」と回答。多くの飲食店が、雨の影響を感じていることが明らかになった。
また、立地・業態別に雨の日の来店数に差があるかも調査した。立地では「商業施設内」が雨の影響が少なく、来店数が多いと感じる割合が他の立地に比べて高い。
業態別で見てみると、「バー」が86%と最も雨の日の来店数が少ないと感じており、一方で「フランス料理」「懐石・会席料理」は30%台とあまり影響がないことがわかった。「フランス料理」「懐石・会席料理」はどちらも客単価が高く、予約して来店する傾向が高いことから、雨の影響が比較的少ないと推測される。
飲食店が雨の日にできる、売上アップのための施策は?
雨の日の来店客の減少に対して、売上アップのための対策をしているか聞いところ、「実施している」と回答したのはわずか7.2%。「実施した経験はあるが、今は継続していない」(19.2%)を合わせても、実施している(したことがある)飲食店は26.4%だった。
また、実施したことがあると回答した人に対し、実施した打ち手の効果があったかを訊ねると、「効果があった」と回答したのは31.6%。「効果がなかった」(44.7%)、「わからない」(23.7%)を合わせると、約7割が効果を感じていないことがわかった。
ここからは、雨の日の売上アップのために回答者が行っている具体的な施策を紹介する。
<値引き>
・アルコールドリンク類の値引き。 (千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・雨の日割を実施 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・1ドリンクサービス券を駅前で手配り (大阪府/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
<SNSでの配信を強化>
・ゲリラクーポンをSNSで発信する (熊本県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・雨の日は案内のインスタ画面提示で最初の1杯半額 (長野県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・SNSの強化 希少ワインのグラス売り (神奈川県/フランス料理/1店舗)
・LINE@を利用して雨の日割引やサービス (神奈川県/専門料理/2店舗)
<目玉商品の提供>
・目玉商品を作り、特別価格での提供。 (東京都/バー/1店舗)
・雨の日はドリンクが大ジョッキ (神奈川県/カフェ/1店舗)
・グーグルビジネスで雨の日特別クーポンで飲み放題実施(普段は実施していない) (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
<ポイントUP>
・ポイント2倍 (東京都/バー/1店舗)
・雨割やスタンプ倍など (神奈川県/焼肉/3~5店舗)
<デリバリーやテイクアウト導入>
・天候の悪い日はデリバリーサービスの利用が増えるので、雨対策としても各種デリバリーサービスを導入している。 (大阪府/居酒屋・ダイニングバー/2店舗)
・テイクアウト用のメニューの設置。 (東京都/専門料理/3~5店舗)
・Uber Eatsを始めた。 (東京都/カフェ/2店舗)
本アンケートの結果からもわかるように、梅雨時期の飲食店において一定数の客数減少はやむを得ない。しかし、梅雨が明ければいよいよ夏本番。本格的な酷暑に見舞われる前に、新たな集客策も講じておきたい。
