ヒットメーカーの新店、溜池山王『溜池カドヤ』がとった「ライバルと戦わない」戦略
『宇田川カフェ』など、渋谷を中心に飲食店を多数展開する株式会社LD&K(エル・ディー・アンド・ケイ)。同社が2024年6月17日にオープンさせたのが、溜池山王駅から歩いてすぐの『溜池カドヤ』だ。
オープンから間もないにもかかわらず順調に売上を伸ばしているのは、多数の飲食店を手掛けてきた同社代表・大谷秀政氏の知識と経験の賜物だ。店の立ち上げに際してどのような戦略を練ったのか、大谷氏に話を聞いた。
>>求人掲載1か月19,800円が今なら15,000円! 求人飲食店ドットコムで初トクキャンペーン実施中
蕎麦屋から定食居酒屋への大胆な業態転換は、信頼している店長の発案
定食居酒屋『溜池カドヤ』は、どのような経緯で開店に至ったのだろうか。
「コロナ禍を乗り切った頃に社員が増えてきて、しかもありがたいことにみんな優秀なので、働ける場所が必要だと思っていました。そんなときに、同じテナントで7年やっていた『蕎麦処グレゴリー』という蕎麦屋を閉めることになって。それならここに人員を割こうと考えたのが計画の動き出しです」
興味深いのは、業態を定食居酒屋に決めたのは社員が主導だったという点だ。兼任で新店を任せることが決まっていた渋谷『桜丘カフェ』の店長・嶋田顕史郎氏から、「得意な和食メインでやりたい」と要望があったのだという。同社では、店長や社員のやりたいことを尊重している。大谷氏からも多少意見は出したものの、基本的には店長である嶋田氏に委ねる形になった。
とはいえ、蕎麦屋から定食居酒屋への業態変更に不安はなかったのだろうか。
「『スーツで働くビジネスパーソンが多いエリアなので、定食居酒屋はハマるだろう』という自信がありました。これまでに40店舗ほどを運営してきたので初めてには慣れていますし、ダメなら軌道修正すればいいだけ。まったく不安はありませんでしたね」

この記事のご感想をお聞かせください