新橋『匙かげん』、開業2か月でリピート客は4割に到達。ファンを作る巧みな仕掛けとは?
フレンチの技術と厳選した素材を融合させた「日常の贅沢」
料理長を務める大住圭氏は、星付きフレンチからミナデインに転職し、『新橋二丁目九番地らんたん』の立ち上げ料理長を務めた人物。同店では、おふくろの味を再現したような家庭料理をコンセプトとしていたが、『匙かげん』では「日常の贅沢」をコンセプトに、フレンチの技術をベースに用いながら、素材や調理法にこだわった新しい和食を提供している。
メニューは、築地の老舗仲卸『石司』のマグロを使った「石司マグロのおつまみトロたく」(1,078円)や、三元豚を4時間コンフィした「味噌漬けローストポーク」(1,188円)などの看板メニューをはじめ約30品。テストキッチンらしくメニューを頻繁に入れ替えるのも特徴で、お客が訪れる度に新しい発見を得られる点も魅力にする。
「品数を抑えつつ素材や調理法にこだわり、一品一品インパクトのある料理を意識しています。毎月新メニューを20品考えるのも刺激になっています」と大住氏は話す。
「テストキッチン」らしさをメニュー表やドリンクでも演出
またユニークなのが、テストキッチンらしく、メニュー表にレシピを記載している点だ。先の2品に加え、「洋風肉じゃが」(1,078円)と「オレンジエビマヨ」(968円)の4品のレシピをイラスト入りで紹介しており、注文率の高さにも繋がっている。また、週替わりの「試作メニューのつまみ食い」(275円)はスターターとしての注文が多く、お客とのコミュニケーションのきっかけとしても機能している。
ドリンクにも、カクテルなど試作メニューを多数取り入れ、季節のモヒート、日本酒、ワインなど、オールジャンルで幅広いレンジを揃える。国産のクラフトジンや、厳選したウイスキー、中国茶などこだわりのある銘柄も揃え、姉妹店との差別化を図っている。
