飲食店の「ダイナミックプライシング」導入、消費者のホンネは? 54%が「納得できる」と回答
「ホットペッパーグルメ外食総研」は「ダイナミックプライシング(同じメニューが時間帯や立地等で価格が変わる設定)」の認知率や利用状況、賛否等の消費者アンケートを実施し、調査結果を発表した。今回はその内容を抜粋して要点を紹介する。
【調査概要】
■調査期間:2024年10月1日(火)~2024年10月10日(木)
■調査方法:事前調査で本調査への協力意向が得られたモニターの中から、脱落率を加味して設定した必要数をランダムに抽出し、本調査の案内メールを通知
■調査対象:首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女(株式会社マクロミルの登録モニター)
■有効回答数:7,708件(首都圏3,951件、関西圏1,980件、東海圏1,777件)
※詳しい調査結果はこちらから
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「ダイナミックプライシング」実施店を「知っている」は 57.0%。若い人ほど高い傾向
ホットペッパーグルメ外食総研ではまず、飲食店が実施するダイナミックプライシングについて7種類に分けて認知度を調査。その結果「同じメニューがランチやモーニングでは割安」が最も認知度が高く40.8%であった。次いで「夕方早めは割安(ハッピーアワー等)」が38.1%、「店の立地によって同じメニューの価格が変わる」で36.1%が3位に続いた。
前述の7種類の「ダイナミックプライシング」の内容のいずれかを「知っている」回答者を合計した「知っている・計」(=認知率)の割合は、57.0%と過半数にのぼる。性年代別で認知率が最も高かったのは、20代女性で 68.8%、逆に最も低かったのは 60代男性で 43.5%であった。全体的な傾向としては、年代が下がるほど認知率が高い。
圏域別では、首都圏での認知率が最も高く 59.6%。また、価格の違いを「意識して利用したことがある」の割合が最も高かったのも20代女性で36.8%であった。
ダイナミックプライシングが「納得できる」は 54.3%、「納得できない」18.3%を上回る
飲食店への「ダイナミックプライシング」導入に対する納得感を尋ねたところ、「納得できる」と「やや納得できる」を合わせた「納得できる・計」が 54.3%で、「納得できない」と「あまり納得できない」を合わせた「納得できない・計」の18.3%を大きく上回る結果となっている。
性年代別では、「納得できる・計」の割合が最も高いのは30代女性で58.6%、逆に「納得できない・計」の割合が最も高いのは 50代男性で23.8%であった。
「ダイナミックプライシング」に納得できる/できない理由を尋ねたところ、納得できる理由のトップ3の1位は「価格が安くなる時間帯を選ぶなど選択肢が増えるので良い」で36.5%、2位は「飲食店も経営が厳しいと思うので仕方ない」で32.5%、3位は「価格戦略は企業や店舗が決めれば良いと思う」で29.4%となっている。
納得できない理由のトップ3の1位は「価格が複雑になるのは歓迎しない」で20.5%、2位は「考えすぎて気軽に利用できなくなってしまう」で20.2%、3位は「場所や時間によって高かったり安かったりするとストレスに感じる」で19.2%であった。
「同じメニューの価格が、ランチやモーニングでは割安」は68.4%が納得
「ダイナミックプライシング」への納得感を設定方法別に尋ねたところ、「納得できる・計」のトップ3の1位は「同じメニューの価格が、ランチやモーニングでは割安」で68.4%、2位は「同じメニューの価格が、夕方早めは割安(ハッピーアワー等)」で 63.1%、3 位は「同じメニューの価格が、深夜は割高(深夜料金等)」で58.1%となっている。逆に「納得できない・計」の割合が最も高かったのは、「混雑状況で変わる」で41.1%となった。
今回の調査結果では通常メニューに加えて、モーニングやランチ、ハッピーアワーなどでお得感を演出することや、営業しているお店が少なくなる深夜料金の導入には消費者の受け入れ態勢が見て取れた。今後、メニューの価格改定などを行う際の参考にしてみてはいかがだろうか。
