脱サラ起業で月商600万円。大井町『大衆酒場こいさご』の呑兵衛店主による名店オマージュ術
呑兵衛ユーザー目線で名店の良いとこ取り
名物の「煮込み」は、他ではあまり見かけない塩味に。これは、相模原市淵野辺の『とり長』(閉店)のもつ煮込みをオマージュした。千葉・蘇我の老舗酒場『山ちゃん』発祥で『増やま』などでも扱う、肉豆腐の上にもつ煮込みを盛る「重ね」(528円)は、「東京にはないと思ったので真似させてもらいました」という。
そのほか、「オムレツ 納豆」や「ハムエッグ」(各385円)、「ポテトサラダ」(330円)などもラインアップ。好きな店で自身が口にしたメニューから、あくまでもエンドユーザー目線で、あらゆる呑兵衛ニーズに応えられるものを集めた。
計50種のドリンク類もまた然り。「『瓶ビール』(各605円)は3社・3種類を入荷しています。大衆酒場だとやっぱりサッポロラガーの『赤星』が欲しくなりますけど、キリンビールも好きなので『クラシックラガー』も置きました。さらに『スーパードライ』(アサヒビール)が飲みたい人もいるだろうなと思って加えています。僕が何でも入れちゃうからスタッフは大変なんでけど……」と、綿貫氏は頭をかく。
「キンミヤ焼酎」は北関東や東京下町ではポピュラーで、綿貫氏いわく店の酒類の「4番バッター」。どんな割材にも合い、そのストレートに梅エキスを垂らす「梅割り」は、大衆酒場ファンの心をくすぐる。
開店当初は1種類だった日本酒も徐々に増やし、現在は週替わりや早いと2、3日で替わる季節もの3種を含む10銘柄に。「日本には四季がある。料理もそうですけど、幹の定番を置きつつ、枝となる季節ものの食材や日本酒を頻繁に変えたりして、『こいさご』らしさも打ち出していきたいです」と、ブランディングにも余念がない。
