求人募集に65名もの応募! 渋谷『きんぼし』の「採用戦略」と「人材育成術」
人手不足が強く叫ばれる飲食業界において、良い人材をどう採用するかは課題だ。そして、スタッフに長く働いてもらうための待遇や職場環境の整備も求められている。
そんな中、採用数と人材の定着率の高さを誇るのが、『酒場きんぼし』や『渋谷きんぼし』、学芸大学の『びゃく』を運営するマルホ株式会社だ。2018年に『酒場きんぼし』をオープンして6年経つが、正社員の約8割は仕事を続けており、未経験者に限るとその定着率は100%にも及ぶ。代表の池上善史(いけがみ・よしひと)氏に、どのような工夫で採用や育成を行っているのかを聞いた。
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「どんなに人気店でも、待遇が悪ければ応募は来ない」。2年前から給与や待遇面を改善
26歳から飲食業に携わり、『獅子十六』や『汁べゑ 六本木店』で経験を積んだ池上氏。その後、株式会社ブラボー・ピープルズで会社経営を学び、35歳で独立し、2018年6月に『酒場きんぼし』を渋谷に開店した。
2022年4月には学芸大学駅に『びゃく』を、2024年6月6日に『渋谷きんぼし』(2024年11月1日より店名を『渋谷ニッカ』から変更)をオープン。現在『酒場きんぼし』は客単価5,000円、11坪27席で月商800万円、『びゃく』は客単価5,000~5,500円、14坪27席で月商750万円、『渋谷きんぼし』は客単価5,000~5,500円、26坪45席で月商1,000万円を売り上げるなど、どこも繁盛店となっている。
人気店のため、採用に苦労したことはないと思いきや「待遇が微妙だと、土俵にも上がれなかったですよ」と池上氏は打ち明ける。
「私の時代は週休1日、長時間労働も飲食業界では当たり前でしたが、今はそうではありません。待遇の良い会社がたくさんあるので。2年前に『びゃく』をオープンするタイミングでそのことを強く実感し、考えを改めました」
そこで池上氏が行ったのが、3つの待遇の見直しだ。一つ目は休日の確保。完全週休2日制(シフト制)で、そのほか特別休暇も充実させた。
二つ目は、給与の改善。時給の底上げはもちろん、社員には賞与のほか、月給にプラスしてインセンティブも支給している。
三つ目は、スタッフのやりたいことを尊重すること。清潔感があることは優先されるが髪色やピアスなど見た目の条件は緩和した。加えて、スタッフがやりたいこと、始めたいことが事業に役立つことに関連するのであればサポート、応援をしている。