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求人募集に65名もの応募! 渋谷『きんぼし』の「採用戦略」と「人材育成術」

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「アルバイトスタッフは大手求人サイトからの応募が多い」と話す池上氏

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『渋谷きんぼし』のオープニングスタッフ採用では65件もの応募が

そんな池上氏が、求人の際に使用している媒体の一つが「求人飲食店ドットコム」だ。

利用している理由について「以前在籍していた会社で利用していたこともあり、自社でも使い始めました」と池上氏。『びゃく』のオープン時だけでなく、今年オープンさせた『渋谷きんぼし』の開業時にも役立てたという。

「やはり『求人飲食店ドットコム』は、飲食業界で求職している人たちがかなり見てくれています。経験者も多いので、雇用率も圧倒的に高いです。特に社員雇用においては優れた求人サイトだと思います」と太鼓判を押す。

実際、直近の『渋谷きんぼし』のオープニングスタッフの採用では、応募数が65人にも及び、希望する社員数の採用を叶えた。

従来店舗よりも席数が多い『渋谷きんぼし』開業にあたり、採用を強化(写真提供:渋谷きんぼし)

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その人に合わせて順序立てて教育し、未経験者の正社員定着率ほぼ100%を達成

現在社員数は10人、アルバイト数は25人ほど。社員のほとんどは20代で構成されており、その多くが未経験からの応募だったという。飲食業界に限らない大手求人サイトを利用し、そちらではアルバイトを多く採用している。SNSのDMを通じての応募もあるそうで、こちらはなんと採用率100%だ。

「創業時は僕ともう一人くらいしか飲食経験者がおらず、採用したのはほとんどが未経験者。けれど今も働いてくれている社員は、みんな未経験者なんですよね。技術的なことは未経験者の方が教えやすいという面もあります」と池上氏。未経験者の定着率の高さもマルホの特徴だ。

この定着率の高さについて「各人に合わせて、順序立てて教育を行うように変えました」と池上氏。以前は忙しさに追われて「あれやって、これやって」と矢継ぎ早に指示を出し、従業員に感覚で覚えてもらっていたというが「そういうやり方だと、みんながついてこれないので、改めました」と続ける。

「最初はまかない料理を作ってもらうのですが、たまねぎの切り方から始めて、順序立てて教えています。どのようなステップを、どれくらいの期間で踏んでいくかスケジューリングも行って、詰め込み過ぎないように心がけています。ポイントは毎回宿題を出して、背伸びして考えてもらうようにしていることです」

サービスについても温かいものの調理、冷たいものの調理、ホール、ドリンク対応など、その人に合わせてそれぞれのジャンルの教育を行い、成長度合いに合わせて待遇も変えている。

「ルールは作りすぎても、守り切れないので最低限だけ教えています」と池上氏。「チーム」「接客」「メリハリ」の3つを大切に、接客に関しては入店時、中間接客、退店時の3回お客さまへアクションを行う「1テーブル3アクション」を徹底している。お客に「また来るね」と言われる元を作る取り組みだ。最低限のことを、一歩一歩積み上げていく教育により、未経験者でも長く働けるようにした。

スタッフ全体に対しては、月初に行う「月イチ会議」と営業前の「ラスイチ会議」のほか、会社LINEで良いと思った取り組みを共有してもらう場を設けた。これにより会社として「同じ方向を向く」環境が整ったという。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。