路地裏の人気店『ダイカンヤマパンダ』。中華×ナチュラルワインを武器に“大人”を集客
親しみのある中華とトレンドのナチュラルワインの組み合わせ
本業のウェブシステム開発に加え、ベビー用品のセレクトショップを全国に展開し、2020年には神泉にワインショップ併設のイタリア料理店『wine stand ENRICO松濤』も開業している河野氏。代官山は自宅が近く、日常的に通う店が多い街だった。
「もともと中華が好きで、誰もがなじみのある料理にトレンドのナチュラルワインを組み合わせた、新しい感覚の店がうちの近所にあればなと思っていました。ちょうどそのタイミングで紹介されたのが今の物件。他の業態の可能性も考えましたが、周辺の飲食店とも競合しない、中華とナチュラルワインの店を作ることにしました」
ターゲットとなる客層も、河野氏と同年代の40〜50代。大人が肩肘張らずに遊べる店を目指しているという。
個性が光る創作中華。付加価値を意識した内容に変えて客単価アップ
料理は25種類ほど。ほとんどが2,000円以下で、1,000円以下も多数ある。中華をベースにフレンチのエッセンスを取り入れており、中華の定番メニューを鴨にアレンジした「低温調理した鴨のしっとりよだれ鶏」(1,500円)、フレンチの技法を活かした「牛すね肉のラグー麻辣メン」(1,600円)といったオリジナリティが光るメニューが並ぶ。
「出来たて豆腐の牡蠣麻婆」(1,600円)は文字通り、その日に店で作った豆腐を使っており、開業以来の人気メニューになっている。また、点心も常時7種類程度用意。ラム肉とクミンの焼売(2個800円)にはトマト醬、エビのトムヤム焼売(2個800円)には香味ソースと、点心によってタレもオリジナルを自家製している。
「お酒1杯とつまみを軽く、という方も多いので、当初は客単価が上がりませんでした。そこで料理の内容を検討し、普段の食事では食べない特別感や付加価値が感じられる食材を取り入れ、料理の単価を上げました。現在は8,000〜9,000円の客単価になっています」
