オープン3か月で坪月商56万円の渋谷『HUIT』。「ストーリーのあるワインと料理」で客の心を掴む

右手前から「宮崎の名店直伝!!チキン南蛮」(1,400円)、「レバームース」(580円)、「峰パン」(150円)、グラスのオレンジワイン「Genui Macabeu Vinya Pedres」(1,500円)
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客単価8,000円で月1来店より、客単価5,000円台で月2回来店を促す
料理はグローバルダイニング出身で、現在竹橋でフレンチ『111』のオーナーシェフを務める井上武士氏がレシピを監修。料理長は『Monsoon Cafe』のエリア統括などを務めた前山朋貴氏だ。
「ワインに合う小皿料理がテーマではあるのですが、イタリアンだけでなくおいしい料理をいろいろと揃えています。もちろんお客さまにおすすめの料理やワインを聞かれたら答えますが、ペアリングを提案するというよりは、おいしいワインとおいしい料理を揃えて、あとはお客さまの自由に組み合わせて味わってもらいたいと思っています」と松原氏は考えている。
前菜は380~1,200円、メインやパスタが1,200~1,500円、デザート550~800円と大衆酒場らしい手の届きやすいプライシングだ。
客単価は想定の5,000円以下を上回り、現在5,000~6,000円ほど。「客単価8,000円だと普段使いできないと思うので、来てくれても月1回とかになる。それなら客単価を下げて月2回来てくれた方が、お店もお客さまもお互いにハッピーだと思うんです」と『HUIT』では来店回数を上げる戦略を取っている。
利益を出すための工夫について「これといったことはしていない」と松原氏は話すが、前菜盛り合わせなどにはピクルスを入れるなど、提供スピードが速いもの、頻繁にオーダーの入るメニューで原価率を下げるなどしている。飲食店経営の基本を愚直に積み重ねているようだ。
3か月で10坪月商500万円を達成。2025年は2店舗新規出店が目標
2024年8月にオープンし、9月に月商350万円、10月に月商380万円、11月に月商480万円と順調に売上を伸ばし、12月には一つ目の目標としていた月商500万円を上回る560万円を達成した『HUIT』。集客についての工夫を尋ねると「目の前のお客さまを大事にすることだけです」とあくまで基本を大切に積み重ねてきたようだ。現在、月に1~2回来店するリピーターが約3~4割、新規客が6~7割を占める。
今後の展望について松原氏は「飲食業界の仲間と合同会社を作って、来期は10~15坪規模のお店を新しく2店舗出そうとしています。会社としては5年後に上場したいですね。デカい目標を立てて、それに向けて走りたいと思っています」と意気込む。スタッフや生産者、お客の縁を結う『HUIT』は、今後ますますそのすそ野を広げていきそうだ。
『HUIT』
住所/東京都渋谷区道玄坂2-17-1 渋谷野武士ビル1F
電話番号/070-9037-1628
営業時間/11:30〜14:00(月~金のみ)、17:00~23:00(金・土は26:00まで)
定休日/なし
坪数・席数/10坪・26席
https://www.instagram.com/pine_huit.official/
