「ゴ・エ・ミヨ 2025」今年のシェフ賞に『青空』高橋氏。『アポテオーズ』『温石』も掲載
株式会社ONODERA GROUPは、3月18日(火)に日本版第9号となる「ゴ・エ・ミヨ 2025」を発刊した。3月17日(月)に開催された授賞式では、「今年のシェフ賞」など10の賞がシェフやソムリエ、パティシエ、生産者など14組に贈られた。今回は、「ゴ・エ・ミヨ 2025」とその10の賞の受賞者を紹介する。
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レストランを支える新しい才能を発掘してきた「ゴ・エ・ミヨ」
「ゴ・エ・ミヨ」は、1972年のパリで創刊され、現在は世界17か国で刊行されているレストランガイド。世界共通の基準で「予約から見送りまで」を評価しており、レストランを支えるプロフェッショナルに注目し、優れた料理店だけでなく、特に新しい才能の発掘に力を入れている点が特徴だ。日本では2017年にはじめて刊行され、「ゴ・エ・ミヨ 2025」では全国563軒の「今、行くべき」レストラン・料理店を紹介している。
「今年のシェフ賞」は、現代最高の鮨職人の一人にも挙げられる『青空』高橋青空氏
持てる才能を縦横に発揮して、最も斬新で完成度の高いインパクトのある料理を提供している料理人へ贈られる「今年のシェフ賞」は、東京『青空(はるたか)』(寿司)の高橋青空氏が受賞した。高橋氏は北海道出身。「格好良いので」と鮨職人を目指し、札幌『すし善』、銀座『すきやばし次郎』で修業、33歳で独立して銀座で『青空』を開店した。キリッと酸味のきいた酢飯と最高級の鮨種、絶妙な握りの塩梅が高く評価されているだけでなく、後進の育成にも力を入れている。
高橋氏は、「普段頑張っている店の従業員、いつも良い魚を見てくれる市場の仲買人の皆さま、そして、生産者、漁師さんを含め、その人たちを代表して今日の賞をいただきたい」と語った。
「明日のグランシェフ賞」は北村啓太氏、杉山乃互氏、八木恵介氏、梅達郎氏、北川悠介氏の5名
確固たる基本技術の上に、独⾃の料理世界を築き、優れた才能として⽇本の料理界を牽引することが期待される料理⼈へ贈られる、「明日のグランシェフ賞」を受賞したのは5名の料理人。東京『アポテオーズ』(フランス料理)の北村啓太氏、静岡『温石』(日本料理)の杉山乃互氏、さらに石川『レスピラシオン』(スペイン料理)からは八木恵介氏、梅達郎氏、北川悠介氏が選ばれた。
北村氏は『ラ・ナプール』『レ・クレアシオン・ド・ナリサワ(現・NARISAWA)』で成澤由浩氏に師事し、15年のフランス滞在後に『アポテオーズ』を開店。信頼できる生産者による食材本来の味を引き出すシェフとして大きな期待が寄せられている。授賞式では、「これからも、フランスでの経験を通じて感じた日本の豊かさ、素晴らしさを少しでも多くの方に伝えられるよう努力していきたい」と語った。
杉山氏は、目白の名店『和幸』で茶懐石の研鑽を重ねた後、実家の『温石』を継承した。駿河湾の魚を生かした茶懐石料理を探究し、茶道を通した地域文化の振興にも寄与している。杉山氏は、「当初、誰も認めてくれなかったときに、『サスエ前田魚店』前田尚毅さん、『成生』志村剛生さんが手を差し伸べてくれた。また、長く店を支えてくれたスタッフにも感謝したい」と述べた。
八木恵介氏、梅達郎氏、北川悠介氏は6歳のときに出会い、それぞれがスペインでの研鑽、日本料理・イタリア料理修業を経て、3人で『レスピラシオン』をオープン。金沢の築150年以上という町家で、地元食材を活かしたモダンなスペイン料理を提供している。
「40年間、3人で小学校1年生のときから苦楽を共にしてきて、会社を立ち上げ、店を開き、このような賞をいただけたというのは、本当に誇りに思う。今働いているスタッフたち、生産者の方、業者の皆さま、皆さまあっての受賞」と語った。
「期待の若手シェフ賞」は、『プリモ パッソ』藤岡智之氏と『氣分』ユーゴ・ペレ=ガリックス氏
「期待の若手シェフ賞」は、才能と情熱、技術を兼ね備え、今後の活躍が大いに期待される新進気鋭の料理人へ贈られる賞で、東京『プリモ パッソ』(イタリア料理)の藤岡智之氏と東京『氣分』(フランス料理)のユーゴ・ペレ=ガリックス氏の2名が受賞した。
藤岡氏は、東京のリストランテ『ASO』を経てイタリアに4年間滞在し、南イタリアの名店『クアトロパッシ』でパスタ場のシェフを務めるなど、イタリアの郷土料理を学ぶ。帰国後に和のテイストを生かしたイタリア料理の『プリモ パッソ』をオープンした。授賞式では「これからも変わらず、お客さまに喜んでいただけるような料理、サービス、空間を提供できるように日々精進していきたい」と述べた。
フランス出身のペレ=ガリックス氏は、ティエリー・マルクス氏のレストランなどで修業後、2015年に来日。『菊乃井 本店』『エスキス』で修業し、2024年に『氣分』をオープンした。「日本に来て10年、『氣分』の開業からはまだ1年経っていないが、皆が応援してくれて大変嬉しい」と語った。
