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開業2か月目で月商1,350万円を達成。西新宿『ビストロリタ』の勝ち筋を徹底解剖

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フードメニューは「TAPAS-COLD-」「TAPAS-HOT-」「MEAT」など9カテゴリー計43品をラインアップし、中心価格帯は495~1,078円

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メニュー組みの基本方針は『酒場つむぎ堂』と同じ

『ビストロリタ』の想定客単価は5,500円。同4,200円の『酒場つむぎ堂』よりもややアッパーな業態だが、「ターゲット層はいずれも20代後半~30代。メニュー組みの基本方針も『ビストロリタ』と『酒場つむぎ堂』で大きく変わりません」と馬淵氏は説明する。

たとえば、『酒場つむぎ堂』は「超ホロホロの茹でタン」(1枚640円)、「国産鶏の肉汁焼き」(1,520円)、「呑める餃子」(8個660円)が三大名物メニューだが、『ビストロリタ』では「フォアグラユッケ」(1,628円)と「呑めるハンバーグ(酒が)」(1,518円)を二大名物メニューに掲げている。

名物メニューの「呑めるハンバーグ(酒が)」(1,518円)は熱々の鉄板に盛り付けて提供し、お客の目の前でソースをかける

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名物メニューの開発で意識するのが「わかりやすさ」だ。タン、餃子、フォアグラ、ユッケ、ハンバーグに共通するのが誰もが好み、商品をイメージしやすい食材、料理であること。「呑める」というキャッチーなネーミングに加え、「国産鶏の肉汁焼き」と「呑めるハンバーグ(酒が)」はいずれもシズル感溢れるという点が共通している。

その他のフードメニューは「TAPAS-COLD-」「TAPAS-HOT-」「FRIED」など8カテゴリー計41品をラインアップするが、そこでも『酒場つむぎ堂』で培ったノウハウが活かされている。ポイントは「定番を外さない」ということ。「サーモンといくらのテリーヌ」(748円)、「ホタルイカと芽キャベツのアヒージョ」(968円)、「鴨肉のメンチカツ」(2個880円)などのバルメニュー、洋食メニューの定番を一捻りしたアレンジ料理を用意している。

既存店で売れ筋のユッケにフォアグラを組み合わせた「フォアグラユッケ」(1,628円)(画像提供:LINK STYLE)

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「業態開発時にメニューを作り込みすぎないことも『酒場つむぎ堂』から変わりません。『ビストロリタ』のメニューはひとまず『自分がビストロ、バルで食べたい料理』という基準でチョイスしましたが、売れ行きやお客さまの反応などを考慮してブラッシュアップを重ねています」(馬淵氏)

ボトルワインの除いたドリンクメニューは9カテゴリー計47種をラインアップし、中心価格帯は638~748円

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メニューをつくり込みすぎず、品揃えを柔軟に入れ替える

メニューのブラッシュアップを重ねるという点はドリンクでも同じだ。アルコールは赤6銘柄、白6銘柄、オレンジ4銘柄を常備するワインがメニューの柱。だが、「売れ行きはあまりよくない」と馬淵氏は言う。

「反省点はボトル4,400~27,500円と価格幅が広かったこと。中心価格帯をどこに設定するかは今後の検証事項ですが、8,000円を超えるワインはメニューから外して値頃感のある商品ラインナップに切り替えるつもりです」

アルコールメニューで品揃えを厚くしたのが「SOUR&COCKTAIL」だ。「お肉に合う黒胡椒サワー」(748円)や「カラブリヤ唐辛子ジントニック」(748円)といったオリジナルサワーのほか、お客自身がファンタオレンジの缶ジュースを注いで仕上げる「ブルゴーニュカシスオレンジ」(638円)などユニークな商品を揃える。

写真左から、「ブルゴーニュカシスオレンジサワー」(660円)、「スコールサワー」(638円)、「お肉の合う黒胡椒サワー」(748円)

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。