「福井県美浜町」テーマで坪月商55万円。丸の内『サカバ ミハマ』のお客も喜ぶ“仕込み術”
ライブ感で付加価値を訴求する圧倒的名物の「藁焼き」
顧客満足度を高めるサービスの最たるものが、「藁(わら)焼き」(1,089~2,090円)だろう。美浜町の特産であるサワラの熟成刺身を、よりおいしく食べてもらおうと研究した末、藁焼きによる焼き霜造り(焼き目を付ける)にたどり着いた。
オープンキッチンの中央に焼き場を構え、一斗缶にくべた藁が豪快に炎を上げるライブ調理が、客席から見られる。「炭を押し当てて焼き霜にする方法もあるんですけど、それではライブ感が弱い。お客さまが目で楽しめて、食べてみると煙の薫香で藁を感じられる商品にしたかった。焼く魚はサワラ、カツオ、マグロとどんどん広げていきました」と島元氏。魚以外にも、カマンベールチーズの藁焼きもある。
揺るぎない看板商品となった藁焼きの注文率は、100%に迫る勢いだという。ターゲットである丸の内オフィスワーカーらの注文が殺到し、焼き場から頻繁に炎が上がる。
魚の主な下処理を現地の加工場に移行した結果、『サカバ ミハマ』は調理難易度を上げ過ぎることなく、店を回せる仕組みを構築した。加えて、美浜の青い海を連想させるタイルを壁面の一部に配し、スタッフの制服も作務衣からTシャツ+エプロンに改め、全体的にカジュアルに。それらも求人に影響をもたらし、スタッフの平均年齢は『熟成魚場 福井県美浜町』よりも一時期10歳以上若返ったそうだ。

飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)