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『炭火焼き リリー』を手掛けるH VIEWの人材戦略。マイニング、全員人事で強いチームづくり

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現在H VIEWの飲食事業の社員は50人弱、アルバイトは200人弱

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「優秀じゃない人も、優秀になれる環境を」。理念共感を土台としたH VIEW流人材戦略

「優秀な人材を獲得するために心掛けていることは?」と中田氏に尋ねると「優秀な人材の定義は難しい」と返ってきた。「あるお店では『使えない』と思われていた人が、別のお店に移ったら『仕事ができる』と評価される場合もあって。優秀な人材って環境によって異なります。だからこそ私たちは、ポテンシャルを秘めた人材と共に成長していく環境づくりを目指しています」と続ける。同社が最も重視するのは、「ゴールラインを共有できるかどうか」、つまり会社の理念や店舗のミッションに心から共感できるかという点だ。

H VIEW経営の根幹を成すのは、「watashiをオモシロク」という理念だ。中田氏は「“watashi”とは、お客さま、従業員、取引先、会社、そして自分自身。関わるすべての人々を指します。その“watashi”が、成長や充実、困難、やりがいを見出せる状態を創り出すこと。企業活動を通じて、人生を豊かにする信念をもって突き進む集団、それが私たちです」と語る。

例えば、行動規範には「よく考えて遅いより、すぐ動く」「相手の大切を大切にします」といった項目があり、これらが従業員の主体性と成長を促す土壌となっている。

H VIEWの理念が書かれたカードには、思考や行動規範も示されている

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個々のライフスタイルに合わせた働き方を提案できる、コミュニケーションを重視

人材育成においては、朝礼での理念唱和や、理念を体現する行動をした社員を称賛することで、組織全体への浸透を図っている。大手企業の画一的な人事制度とは一線を画し、「海の家のバイトくらいのイメージ」と代表が表現するように、自由闊達な雰囲気の中で個々の成長を促す。

「従業員が100人を超えた組織なので、方向性が合わず辞めてしまう人がいるのは致し方ありません。そのことをよりも、結果的に良いチームが作れたかが大切だと思っています」と中田氏。オープニングなど多数のスタッフを採用する際も、個々のスキルだけでなく、チームビルディングも重視する。

従業員のやりがいについては、「十人十色の価値観や大切にしていることを尊重し、キャリアアップだけでなく、個々のライフスタイルに合わせた働き方を提案できるコミュニケーションを重視しています」と述べる。

例えば、趣味の時間を大切にしたい社員にはしっかり休みが取れる働き方を、独立を目指す社員には店舗運営のノウハウや立ち上げ経験を、子育て中の社員には時短勤務やサポート体制を、といった具合だ。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。