飲食店ドットコムのサービス

三軒茶屋の居酒屋『酒羅場』が20代女性に愛されるワケ。女性客比率80%で坪月商47万円!

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

女性受けするタコを使い、トマトの射込みとコンソメジュレで色鮮やかに仕上げた「水タコとトマトのマリネ」(638円)(写真提供:GOV)

画像を見る

流行に合わせてメニュー化する「女子受け食材」

タコ、玉子などを女子受けする食材の例として挙げるが、「最近発見したのがイチジク」(小林氏)だという。

2022年10月に投入した「ピスタチオチーズといちじくの蜂蜜がけ」(748円)の1日平均出数は15品。「ピスタチオチーズ+フルーツ」でいろいろな商品を試したものの、「あまり出数が伸びなかった」(小林氏)が、イチジクに変えた途端に出数が跳ね上がった。

「これはファッション誌の編集をしている妻のアドバイスで完成したメニューなんです。ピスタチオチーズが流行っている、ヘルシーな食材としてイチジクの注目度が上がっているという話を聞き、メニュー化したわけですが、予想以上に大受けしてびっくりしました」と小林氏は笑う。

一品料理と串焼きの人気トップ5。串焼きは定番メニューとアレンジメニューが混在している

画像を見る

串焼きも「シェア前提」のポーション設定

メニュー構成とともに商品サイズも20代前半の女性を意識した工夫を凝らしている。

『酒羅場』は女性の2人客、3人客が来店客の8割を占めているが、「20代前半の女性客は串焼きでもシャアを前提にしている」(小林氏)という。

そのため、焼き鳥は1本60~70gと標準よりもやや大ぶりなサイズ。一品料理はいわゆる小鉢料理のような小ポーションの商品はごく一部にとどめ、締めのメニューもボリューム感を追求した「しっかり1人前」(小林氏)のサイズにしている。

写真の「豆乳胡麻冷麺」(792円)をはじめ、「飯・麺・ピザ」カテゴリーにはボリュームのある商品が揃う(写真提供:GOV)

画像を見る

商品のプライスポイントは串焼きが308円、一品料理が同638円、704円、748円。オープン当初は串焼きのプライスポイントを209円に設定しており、食材費の高騰を背景として少しずつ値上げしてきたが、「値頃感を損なわないようにすることを常に意識しています」と小林氏は語る。

締めのメニューを含めて1,000円を超える商品は1品もなし。ただ、「『手頃な価格で個性的な料理をたっぷり食べたい』というニーズに応えた結果、原価が嵩んでフード原価率が40%を超えてしまいました」と小林氏は苦笑する。

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。