中目黒で月商1,000万円の繁盛居酒屋『魚の花』が手がける、新店『うのはな離れ 菜の花』の勝算
常連客の声をきっかけに、念願だった“離れ”を開業
『うのはな離れ 菜の花』があるのは、中目黒駅から山手通りを池尻方面へ歩いて約8分の場所。軒先に下げられた提灯とグリーンの暖簾が目印だ。
本店である『魚の花』は開業から3年、地元の人々をはじめ多くのファンに支持され、18坪44席で月商1,000万円を売り上げる繁盛店へと成長した。平日でも予約を断らざるを得ない日が増え、2024年の秋頃から中目黒を中心に2号店用の物件を探していたという。そんな折、常連客の1人であり、かつてこの場所で営業していた居酒屋『煮炊屋 金菜』の元店主から、店を畳むため、居抜きとして箱を使ってほしいと声がかかった。
「『篠田さんが引き継いでくれるなら、僕が通える店が増えるから嬉しい』と言ってくださって。場所も良く、願ってもないお話でしたので『ぜひ、お願いします』とお受けしました」
居抜きで契約した2階建ての物件は、築20年とは思えないほど丁寧に使われていたため、ほとんどリフォームせずに活用した。1階は焼き場を囲むように設えたカウンター席でライブ感を演出し、2階はテーブル席と座敷でゆったりと食事を楽しめる空間になっている。
開業後に直面した、居抜き物件と立地の「誤算」
「僕にとって居抜き物件を扱うのは初めてのこと。自分が使いやすいようにゼロから設計するのとは違って、既存の動線を一から考え直さなければならず、慣れるまで想像以上に時間がかかりました。ようやく落ち着いてきましたが、当初はスタッフともうまく連携できず、申し訳ないことをしたと思っています」
また、『魚の花』が目黒川から1本入った路地にあるのに対して、新店は大通り沿い。道を歩く人の層もかなり違うという。新規集客に繋がっているのではないかと尋ねると「想像していたよりも“飛び込み”のお客様が少ないんです。入り口でメニューを見たり、ショップカードを持ち帰ってくださる方は多いのですが、店構えが重厚なこともあって、どこか入りにくさを感じている人が多いのかもしれませんね」と苦笑する。
集客の課題を感じる一方で、思い描いていた通り、『魚の花』の常連客を中心に口コミはじわじわと広がりつつある。その日の気分や食べたいものに合わせて、本店と『離れ』を使い分けているお客もいるようだ。
