月商1,500万円を売る渋谷『桜ヶ丘椿堂』。「再来店したい店」で売上1.6倍のV字回復!
渋谷駅から徒歩数分、再開発が進む桜丘エリアに、平日でも予約で満席となる人気店がある。渋谷『極楽酒場 げんてん』などで知られる、株式会社ブラボー・ピープルズが運営する『桜ヶ丘椿堂』だ。食べログの保存数は5万人を超え、「食べログHOTレストラン2025」にも選出されている。コロナ禍を経て売上はV字回復を遂げ、以前は月商900万円に届かなかったのが、現在は月商1,500万円を売り上げるという。
なぜ同店は、これほどまでにお客を惹きつけてやまないのか。その強さの秘密は、徹底したおもてなしの精神と、それを支える人材育成、そして時代の変化に合わせた柔軟な戦略にあった。同社取締役副社長の佐藤大介氏と、『桜ヶ丘椿堂』店長の荒瀬寛文氏に話を伺った。
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人通りまばらな渋谷桜丘で18年。バーとの複合から居酒屋一本へ
『桜ヶ丘椿堂』がオープンしたのは約18年前。当時、桜丘エリアは人通りが少なく、集客には大変苦労したという。
「今でこそ再開発で街の様子は大きく変わりましたが、オープンした当時は本当に真っ暗で、渋谷の中心地という感じではなかったです。なぜこの場所を選んだのかは、今となっては誰も知らないんですよ」と佐藤氏は笑う。
オープン当初は、手前が居酒屋、奥がバーカウンターという複合業態だった。しかし、そのスタイルは長続きしなかった。
「バーにしては賑やかすぎたのかもしれません。結局、1年ほどでバー営業はやめて、全体を居酒屋スタイルに変更しました。扉で仕切れるようになっていたカウンター席も、今のオープンスタイルに改装したんです」(佐藤氏)
コロナ禍で再確認したおもてなしの価値。客単価を上げて売上は1.6倍以上に
大きな転機となったのが、新型コロナウイルスの流行だ。多くの飲食店が苦境に立たされたが、ブラボー・ピープルズも例外ではなかった。しかし、残ったメンバーたちが「飲食をやる意義」を突き詰めていき、一回一回の営業に熱を込めるようになる。
「会社が休業中の給料を全額保証してくれたことにも、本当に感謝しています。飲食業界から離れていく仲間もいる中で、『残ったメンバーで頑張ろう』と、僕たちの腹の括り方が変わった。その覚悟が、お客さまに対する感謝の気持ちとして、以前にも増して強くなったんだと思います」(荒瀬氏)
このマインドの変化が、接客の質のさらなる向上につながり、お客の満足度を高めた。
また、個室が中心の店内レイアウトも、コロナ禍においては強みとなった。ソーシャルディスタンスを気にするお客の需要と合致し、売上は一気に向上したという。
「コロナ前は2時間制で回転率を重視していましたが、営業時間が制限される中で、それまでと同じやり方ではだめだと思いました。それならば、お客さまにゆっくり過ごしてもらい、客単価を上げる方向に切り替えようと。席の時間は2時間半に延長し、ゆったり過ごしていただくことを重視しました」(荒瀬氏)
結果として、客単価は約5,800円、1日の来店客数は平均90~100人にアップ。コロナ前の月商は900万円だったが、現在では1,500万円を超えるまでに成長している。
