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『マクドナルド』ハッピーセット「ポケモン」転売騒動。飲食店経営者が学ぶべき教訓

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画像はイメージ。画像素材:PIXTA

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2025年8月、『マクドナルド』のハッピーセット「ポケモンカード」をめぐって、悪質な転売が横行した。食品の大量廃棄も問題視されるなか、続く予定だった「ワンピースカード」の配布も中止にまで発展。後手に回った対応とSNSでの批判から、飲食店経営者が学ぶべき教訓を探る。

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過去には「星のカービィ」や「ちいかわ」の高額転売も問題に

『マクドナルド』の限定景品をめぐる混乱は、今回が初めてではない。過去には「星のカービィ」や「ちいかわ」とのコラボでも、景品の奪い合いや高額転売が問題視されてきた。いわば、起こるべくして起きた騒動ともいえるだろう。

こうした状況に対し、日本マクドナルドは段階的に対応策を打ち出した。2025年8月8日にハッピーセット「ポケモン」の販売を開始した直後から転売騒動が過熱したことを受け、11日には1会計あたりの購入数に制限を設けると発表。しかし、事態は収束せず、26日には、29日から予定していたハッピーセット「ワンピースカード」の配布中止を決定した。あわせて、同日開始予定だった『ほんのハッピーセット「シナモロールとあそぼう!」』(絵本)も、9月12日への延期が発表されている。

しかし、これらの対応は、いずれも問題が深刻化してからの後手な動きと受け取られたようで、SNSでは企業の社会的責任を問う声が相次いだ。

「子供が楽しみにしていたのに、転売ヤーのせいで買えなかった。毎度のことなのに、なぜ事前に対策を打てないのか」
「おもちゃだけ抜き取って、食べ物を大量に捨てるなんて信じられない。食品ロスに対する企業の姿勢が問われる」
「購入制限だけでは不十分。本当に欲しい子供たちの手に行き渡るような仕組みを考えてほしい」

こうした声が上がる中、効果的な転売対策の好例として、ある企業の取り組みが再び注目を集めた。

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SNSで再注目された『吉野家』の転売対策

『マクドナルド』の騒動が注目される中、SNSでは牛丼チェーン『吉野家』が過去に実施した転売対策が、参考事例として再び話題になっている。

『吉野家』は、2024年に行った『星のカービィ』とのコラボ企画で、当初は景品の品切れや高額転売が相次ぐ事態を経験した。これを受け、同社は追加販売の際に景品の提供方法を変更。公式アプリで会計ごとにポイントを貯め、そのポイントで好きな景品と交換できる「ポイント引換方式」を導入した。

この仕組みは、申し込みがあってから商品を生産する実質的な受注生産にあたる。そのため、ファンが景品を受け取るまでには数か月を要したものの、転売目的の買い占めを防ぎ、本当に欲しい人の手元へ景品を届けることに成功した。

この緻密な対応は、当時からSNS上で「ファンに寄り添った素晴らしい対策だ」と称賛されており、今回の件を受けて改めてその有効性が評価される形となっている。

人気キャラクターとのコラボ企画は、大きな集客効果が期待できる一方、こうした転売問題とは隣り合わせでもある。今回のハッピーセットの件は、目先の話題性だけでなく、ファン心理や社会的影響を考慮した販売戦略の重要性を、多くの飲食店経営者が再認識するきっかけとなったといえるだろう。

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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