開業3か月で月商1,200万円。渋谷『ぴりおど。』と『()kakko』同時オープンで相乗効果!
2025年4月10日、渋谷・道玄坂にオープンした『ぴりおど。』と『()Bistro kakko(ビストロ カッコ)』。オープンからわずか3か月で両店ともに月商1,200万円を叩き出す繁盛店へと成長し、注目を集めている。
運営するのは栃木県小山市で居酒屋『串焼き居酒屋はじめ』など居酒屋3軒、美容サロン2軒、中目黒『Seacret BASE』、麻布十番『BAR MELT』を展開する株式会社NextLevel。なぜ激戦区で2店舗を同時に開業したのか、同社代表取締役社長の杉山陸斗氏、常務取締役の大塚響生氏に聞いた。
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異なる個性で差別化。同一ビルでの“二毛作”モデル
渋谷駅から徒歩5分、神泉駅からも徒歩6分とアクセスが良いビルに構える『ぴりおど。』と『()Bistro kakko』。渋谷でよく飲み歩いている人なら、地下1階~地上4階まであった激安店『居酒屋バッハ』の跡地と聞けば、場所の見当がつくかもしれない。
当初は1店舗のみ出店するつもりだったと話すのは、代表の杉山氏だ。
「初めは、以前の店舗のように1棟丸ごと借りてほしいといわれたんです。さすがにそれは厳しくて……。相談した結果、2フロアを借りるという結論に落ち着きました」
せっかく2フロアを使うのであれば、違う業態にしたい。そんな遊び心も手伝って、統括代表の樋上海斗氏がコンセプトを練りながら、グループ展開しやすい名前を目指した。1階は1日を心地良くしめくくる店として『ぴりおど。』、2階はちょっとカッコつけたい日に来る店として『()Bistro kakko』と名付けた。
「“カッコ”には、お客さまを温かく囲い込むという意味もあるんです。空中階は売上が厳しいのではという考えから、あえて“隠れ家”として、ここぞというときに使ってもらえる店を目指しました」
映える空間づくりとSNS戦略で両店舗とも繁盛店に
両フロアともにオープンキッチンとカウンター席を備え、植物のグリーンを効果的に配している点が共通しているが、内装の雰囲気は対照的だ。1階は活気あふれる大衆酒場のにぎやかさを演出し、2階は照明を抑えた落ち着いた空間で大人がゆったりと過ごせるように仕上げている。
「1階、2階ともに、どこから切り取っても“映える”空間づくりを意識しました。写真を撮ってSNSにアップしたくなるような、そんな場所にしたかったんです」と大塚氏は話す。
実際、集客にはInstagramを軸に据え、インフルエンサーの起用も積極的に行っている。SNSでの発信が店の魅力を広く伝え、20代の若い世代を中心に支持を集めているという。
客単価は『ぴりおど。』が5,000円、『()Bistro kakko』が6,000円と1,000円の開きはあるものの、両店共に月商1,200万円。それぞれ22坪、合わせて44坪という規模ながら坪月商でも約55万円をたたき出しているというから驚くべき成果である。
空中階かつ比較的客単価の高い『()Bistro kakko』が、気軽に入りやすい『ぴりおど。』と売上が拮抗しているのも面白い。両店ともにリピーターが増えており、友達とワイワイ飲むなら『ぴりおど。』、デートや記念日といったここぞという場面には『()Bistro kakko』と使い分けているお客も。杉山氏の狙いが見事に当たった結果だろう。
消費者の趣味嗜好が多様化している昨今。1つのコンセプトで44坪の店舗を繁盛店にするよりも、2つのコンセプトで各22坪それぞれ集客する方が、それだけ労力はかかりそうだが結果的には効率的とも言えそうだ。
