『渋谷きんぼし』の姉妹店、三軒茶屋『せきらら』が好発進! 激戦区で生きた“マルホ流”の戦い方
『渋谷きんぼし』、学芸大学『びゃく』など、飲食店激戦区で繁盛店を運営するマルホ株式会社。同社が次なる舞台として2025年7月18日、三軒茶屋に『せきらら』をオープンさせた。
なぜあえて激戦区・三軒茶屋への出店を決めたのか。出店経緯と、店づくりにかけるこだわりを、代表の池上善史氏に伺った。
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学芸大学、渋谷を経て居酒屋激戦区・三軒茶屋へ新規出店
マルホ株式会社の歩みは、2018年に渋谷道玄坂でオープンしたおばんざい居酒屋『酒場きんぼし』(2025年6月25日移転)から始まった。その後、学芸大学に『びゃく』、『渋谷きんぼし』をオープンさせ、いずれも連日客足の絶えない繁盛店へと成長。しかし、順調に店舗を展開していた矢先、本店が諸事情により閉店を余儀なくされた。
「来年あたりにもう1店舗やりたいと思っていたところ、本店が諸事情で移転することになりました。そんなタイミングで、この三軒茶屋の物件を紹介されたんです。これは良い機会だと、挑戦を決めました」
コロナ禍が明け、飲食業界が新たなフェーズに入る中、守りに入る選択肢はなかった。スタッフの成長の場を奪ってしまうわけにはいかない。どうすればこの街に溶け込み、お客に価値を提供できるか。「どう戦うか」を突き詰めた末、池上氏はあえて厳しい環境に身を投じることを決意した。
コンセプトは「今の自分が行きたい店」。『せきらら』が目指す大衆割烹とは
店名は「飾らず、気取らず、心をまっすぐに交わせる空間」、「心の整え場」となるようなコミュニケーションが生まれる場を提供したい、という思いも込められている。
「毎回、出店するたびに『今の自分が行きたい店はどんな店なのか』というところからお店のコンセプトを考えます。コロナ禍を経て飲食店の状況が大きく変わる中で、43歳の自分は改めてスタンダードな居酒屋の価値を見直しました。ただ、探してみると意外と少ないんです。そこに、僕らの強みである“野菜”を掛け合わせれば、この三軒茶屋という街に馴染めるのではないかと考えました」
『せきらら』が掲げるのは、「“あふれる野菜”を楽しむ大衆割烹」。そのイメージの源泉は、意外にも秋田の田舎にある、地元の年配者が集うような店だという。
「僕が地元に帰るとよく行くお店があって、当たり前のもの+高級なものも食べられるような店なんです。週末に『今日は少し贅沢をしたいな』と思ったときに、ウニやマグロのような分かりやすくおいしいものが食べられる。『せきらら』も、普段使いできる居心地の良さと、割烹のように季節を感じられる一品を両立させた場所にしたい。『大衆割烹』という言葉が、そのイメージにぴったりだと思ったんです」
