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『渋谷きんぼし』の姉妹店、三軒茶屋『せきらら』が好発進! 激戦区で生きた“マルホ流”の戦い方

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「あふれる野菜6種盛り」(1,800円)。右下から時計回りで「はるかエイトトマト 酢橘ジュレ」、「アスパラガスとズッキーニ 辛子酢味噌」、「ひばり野オクラと木耳 キムチ」、「鳥海なめこ旨煮 辛味大根」、「生じゅんさいと冬瓜 叩き梅」、「イソガキほうれん草と茶えのき お浸し」

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主役は“あふれる野菜”。新たな名物「あきたこまちの土鍋ご飯」も

『せきらら』の、そしてマルホ株式会社の料理の根幹を成すのが、池上氏の妻の実家である秋田の八百屋から仕入れる野菜だ。首都圏では珍しい「三関せり」などの伝統野菜や、希少な天然の山菜が、産地から直送される。

「会社のコンセプトとして、八百屋の野菜を使ったおばんざいをメインにしています。その軸は、どの店舗でもぶらしません。今回は特に、一品一品のクオリティを追求したいと考えました。これまではお盆に数種類のおばんざいを載せて提供していましたが、『せきらら』ではあえてそれをやめています。三軒茶屋は21時や22時に来店するお客さまも多いため、一皿だけオーダーしても満足いただけるよう、一つずつしっかり価値のあるものとしてお出しします」

右手前から「ズワイガニ 甲羅詰め」(3,980円)、「鯖のきずしと燻製梅干し」(980円)、「稲庭うどん」(160グラム二人前1,200円)

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このこだわりを形にするのが、店長の藤野廉氏だ。

「うちの強みは、やはり秋田の野菜を使ったおばんざいです。野菜本来の味を生かすために凝ったことはせず、味付けは出汁と塩をベースにしたシンプルなものが中心です。そこに生姜をアクセントに加えたり、鰹節を削ったりして、野菜そのもののおいしさを味わっていただけるように心がけています」

もちろん、秋田産だけに固執しているわけではない。夏にしか食べられない「生じゅんさい」など、その時期に一番おいしいものを全国から取り寄せる。

また、当初はあえて名物を設けない方針だったが、営業を続けていく中で接客のしやすさなどもあり、名物を設けた方がいいと判断した池上氏。既存店で実績のある「土鍋ご飯」に「あきたこまち」を用いて独自性を打ち出したところ、これが評判を呼んでいる。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。