飲食店ドットコムのサービス

開業3か月でビブグルマン選出! 渋谷『ナイトマーケット』が提供する「心躍る食体験」とは

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

東南アジア料理に合うよう、世界各国の様々なワインをラインアップ。クラフトビール、日本酒などもそろえる(写真提供:Night Market)

画像を見る

海外視察で得た「活気ある空間」のインスピレーション

内藤氏の店づくりは、料理だけにとどまらない。オープン前にはベトナム、タイ、中国の雲南省などを視察した。現地の少数民族が手掛けた織物を買い付け、店内の装飾に用いるなど、空間の細部にまでアジアの空気感を吹き込んでいる。

中でも、レストランとしてのあり方に大きな影響を与えたのが、アメリカ・サンフランシスコへの視察だったという。

「自分自身も修業経験がある『The Progress』と『State Bird Provisions』というレストランが大好きで、オープン前にもう一度体感しておきたかったんです。そこのシェフは、自分たちで畑を持つほど食材を大事にしているのですが、何より素晴らしいのがお店の雰囲気。アラカルト営業で、レストランに入った瞬間の活気や高揚感がものすごい。『こういうお店を東京でできたら、かっこいいだろうな』と強く思いましたね」

キッチンの活気が伝わってくるカウンター席(写真提供:Night Market)

画像を見る

その経験は、『Night Market』の空間設計に色濃く反映されている。熱気が伝わるオープンキッチン、窓を開け放ち屋外のような抜け感を演出した客席、そして最もこだわったと語るカウンター席だ。

「カウンターは、キッチンスタッフが立つ作業台と、お客さまのテーブルの高さを同じにしています。目線を近づけることで、より親しみやすさが生まれると考え、デザイナーさんにお願いして形にしてもらいました」

東南アジアの熱帯雨林を彷彿させる緑色の壁に、木製のアンティーク家具や植物を配置し、南国のヴィラのような雰囲気が漂う(写真提供:Night Market)

画像を見る

深化する食体験と、その先の展望

オープンから約3か月。予約なしの当日問い合わせで満席になる日もあるなど、着実にファンを増やしている。客単価は1万円~1万5千円ほどで、原価率は30%未満を維持するなど、経営も安定軌道に乗りつつある。

一方で、深夜帯の認知度向上や、アラカルト業態ゆえの売上の波、そして人材不足といった課題も明確だ。

「ミッドナイトマーケット」と題した、バータイムのメニュー表。スナック類やデザートに加え、締めのフォーも用意している(写真提供:Night Market)

画像を見る

「正直、もう少しスタッフを補強したいですね。人が増えればシフト制を整備して休日を増やせる。スタッフの労働環境を整え、新しいことにチャレンジする時間を確保するためにも、採用は急務です」

今後の展望について尋ねると、内藤氏は目を輝かせた。

「この広い空間を生かして、イベントを積極的に開催したいですね。海外の著名なシェフを招いたり、いつもお世話になっている生産者を主役にしたコラボイベントを開いたり。メニューも、もっと東南アジア各国の幅を広げていきたい。ソムタムのような、現地の調理過程を見せる体験型のプレゼンテーションも、もっと追求していきたいです」

「スタッフには『レフェルヴェソンス』や『アンディ』の後輩たちも多い」と話す内藤氏

画像を見る

食材と真摯に向き合い、生産者とのつながりを大切にする。伝統への敬意を払いながらも、自身の経験と感性を信じ、新たな表現へと昇華させる。渋谷二丁目の夜を灯す『Night Market』は、訪れる者に、ただおいしいだけではない、心躍る食体験を提供してくれるだろう。

『Night Market(ナイトマーケット)』
住所/東京都渋谷区渋谷2-6-6 COERU渋谷イースト1階
電話番号/03-6433-5516
営業時間/17:30~24:00(フードL.O.22:00、バー・軽食フードL.O.23:30、ドリンクL.O.24:00)
定休日/月曜+不定休
坪・席数/約50坪・36席
https://www.instagram.com/nightmarket.tokyo/

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。