2025年度上期、飲食業界の平均給与が上昇。東京は月給30万円台へ
2025年度上期の飲食店平均給与調査結果が発表された。最低賃金の引き上げが続くなか、飲食業界で働くスタッフの給与はどう変化しているのか。今回は、2025年4月〜9月に「求人飲食店ドットコム」に掲載された求人情報をもとに、飲食店の平均給与や業態別・職種別の傾向を紹介する。
■調査概要
調査対象:「求人飲食店ドットコム」掲載の、東京都・大阪府・愛知県・福岡県における求人案件(6万1,976件)
※データ数が500件以下の地域は除外
調査期間:2025年4月〜2025年9月
給与算出方法:求人募集時の給与下限額より算出。小数点以下は四捨五入
※詳しい調査結果はこちら
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地域別平均給与は東京30万円超、全エリアで微増傾向に
2025年度上期の平均月給は、東京都30万1,309円(前期比+3,874円)、大阪府28万8,499円(+2,836円)、愛知県27万5,643円(+1,726円)、福岡県26万7,748円(+4,338円)となった。いずれも前期比で約1%前後の増加にとどまっている。これは、2024年下期に最低賃金が過去最高額で引き上げられた影響で、上昇率が鈍化した結果とみられる。
また、時給についても同様の方法で平均値を算出。東京都1,308円、大阪府1,219円、愛知県1,147円、福岡県1,085円と、いずれも前期からの微増となっている。
業態別平均給与は全体で上昇、カフェなどで4,000円超の伸び
主要5業態(イタリアン、和食、居酒屋・ダイニングバー、カフェ・喫茶店、洋食・西洋料理)では、全業態で平均給与が上昇。とくに「カフェ・喫茶店」は月給4,600円増、「居酒屋・ダイニングバー」が4,578円増と大きく上昇した。
他業態もおおむね1%前後の増加にとどまるなか、和食系と居酒屋系の募集給与は、2024年度上期から30万円台に達しており、採用難の状況もうかがえる。
職種別上昇率は前年並み、調理スタッフが引き続き高水準
職種別では、東京都・大阪府ともにサービス・ホールより調理スタッフの給与が高い状態が続いている。両職種とも上昇率は約1%と、2024年度下期とほぼ同様の傾向となった。
今回の調査結果を通して見ると、2025年度上期は地域・業態・職種を問わず平均給与が上昇傾向にあることがわかる。ただ、その増加幅はほぼ1%にとどまっているのが実情だ。
今後も最低賃金の改定や人手不足の影響は続くと見られ、飲食店経営者にとっては、採用が難しい業態での給与水準の見直しや、職場環境の改善など、多角的な人材確保策が求められそうだ。













