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武蔵小杉『Five bird』による焼鳥業態の勝ち筋。個性派焼鳥×小田原おでんの2本柱で連日満席

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焼き場の臨場感も伝わる内観。カウンター8席、テーブル18席の構成だ(写真提供:Five bird)

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サービスの差別化ポイントは、“接客の足し算”

「五感で楽しむ」店づくりを支えるのが、接客だ。

「一般的な焼鳥店はカウンターの造りが多く、串を焼きながら接客も行うため属人化のリスクが大きい業態です。店主の手腕に左右されることなくお店にファンをつけるためにも、サービスの強化は必須でした」(本間氏)

焼き場が客席と離れた場所に独立しているのは居抜き物件の造作を活かしたものだが「調理に集中できるので生産性が向上し、客席に煙が流れないのもメリット」と本間氏。またバックキッチンは、「オーナーの目が行き届かないため、料理のクオリティを保つのが難しい」というマイナス面も考慮して最低限の作業と人員配置とした。さらに、5本コースにオーダーが集中することで注文や調理のオペレーションが軽くなるぶん、接客に力を注げるというわけだ。

メニューの中にお客と自然にコミュニケーションがとれるような要素をしのばせるほか、退店後は必ず外まで出て見送りをする。昨今は業界の人手不足解消のためセルフオーダーや配膳ロボットを導入するなどいわば「接客の引き算化」が進んでいるが、「(引き算化は)業界としては必要な発展ですが、自分たちはまだそのステージにいません。この時代だからこそあえて接客の足し算化をすることで、お客さまの心に触れる体験をお届けしたい」と本間氏は説明する。

串とおでん以外のメニューは、鶏の刺身2品、つまみ6品、食事2品、デザートのアイスクリームのみに絞り込んでいる

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チームにファンがつく店を、ドミナントで展開する

今後は武蔵小杉エリアでのドミナント展開で基盤を固めたのち、焼鳥業態で地方都市への出店も視野に入れているという本間氏。生産性の高い店づくりで、従業員の給与水準を高めイキイキと働ける飲食企業を目指していく意向だ。

「創業店では自分が前面に出て、名刺を配って営業活動をしなければ……と考えていましたが、強いメンバーのおかげで自分が全部がんばらなくてもチームにお客さまがついてくれるという理想の形が実現しつつあります。年明けには法人化して仲間を増やし、さらなる成長を目指したい」と本間氏。次なる一手にも注目が集まる。

ワインはグラス(1,000円~)、ボトル(4,500円~)。焼鳥と相性の良いシャルドネとピノ・ノワールを中心に、フランスとカリフォルニアを厚めにラインナップ

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『Five bird』
住所/神奈川県川崎市中原区新丸子東2-897-11 ラポール新丸子103
電話/044-948-9080
営業時間/17:00~22:30(土曜・祝日16:00~22:30、日曜16:00~21:00)
定休日/月曜
坪・席数/20坪・26席

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/