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駒沢大学『nichinichi』が住宅立地でも強い理由。令和の“蕎麦呑み”でファンを獲得!

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『蕎麦前とお酒 nichinichi』の店長・早川優月氏

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2024年5月にオープンした駒沢大学『蕎麦前とお酒 nichinichi(ニチニチ)』は、多彩な「蕎麦前」とともに、ゆったりと酒が楽しめる店。といってもメニューに並ぶのは、いわゆる蕎麦屋の肴とは一線を画す華やかな料理の数々と、ナチュラルワインに日本酒だ。その狙いや経緯を、オーナーの山崎真人氏と店長の早川優月氏に聞いた。

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「枠にはまりたくない」。あえてどの駅からも離れた場所に出店

駒沢大学駅と学芸大学駅、どちらからも徒歩15分強という、決して交通の便がいいとは言い難い立地にある『蕎麦前とお酒 nichinichi』。オーナーの山崎真人氏はあえて駅から離れた場所を探していたと話す。

「祐天寺や深沢など広い範囲で探していましたが、初めから駅前の商業圏内は避けたいという思いがありました。よくありがちな『〇〇駅界隈にはこんな店が多い』というような、駅特有の“フィルター”には入りたくなかったのと、落ち着いた環境で自分のペースを大切にしたかったんです」

店は駒沢大学駅からも徒歩15分ほどはかかる場所(写真提供:nichinichi)

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山崎氏の本業は、フリーランスの料理人。大学在学中、クリエイティブな仕事に就きたいと料理の道を志した。都内の飲食店で経験を積んだのち、恵比寿に自身の店をオープン。3年ほどでいったん店を閉じ、メキシコやペルー、アメリカなど5か国を巡りながら現地のレストランで腕を磨くと、日本に戻ってからは、飲食店の立ち上げを始め、食関連のイベントや町おこしのプロデュースなど、食にまつわる仕事に幅広く携わってきた。

カウンター席のほかに立ち飲みスペースも用意

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以前から、友人の料理人と「いつか自分の店を持ちたいね」と話していたという山崎氏。これまで拠点を持たずにフリーランスとして活動してきた中、誰かに依頼されたものを形にするのではなく、自分の感性で、自由に表現できる店をやりたいという思いが『nichinichi』開業のきっかけになったと振り返る。

蕎麦前をテーマに選んだのは、もともと“蕎麦屋で飲む”のが好きだったからだ。ただ、蕎麦職人ではない自分たちが蕎麦前のために「蕎麦屋」を名乗ったところで、どうしても蕎麦そのものの味で評価されてしまう。“蕎麦を手繰る前のひとときを楽しむ時間”を、自分たちらしく表現するにはどうすればいいのか……。そのアイデアを詰め込んだのが、『nichinichi』だ。

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河西みのり

ライター: 河西みのり

フリーランスで活動するライター&インタビュアー。現在はソーシャルメディアや業界紙など多岐に渡り執筆。飲食店取材からレシピ本の編集、お取り寄せカタログのコピーまで“食”にまつわる分野を得意とする。