飲食店ドットコムのサービス

飲食店の正社員・アルバイトの採用単価を下げるには? 計算方法と費用を抑える方法を解説

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

画像素材:PIXTA

画像を見る

飲食店における採用単価は、人手不足などの影響を受け、年々上昇傾向にある。店舗によっては、採用コストが経営を圧迫することもあるのが現状だ。持続的な飲食店経営を行うには、採用単価を正しく理解し、無駄な費用を削減しながら効率的に人材を確保することが重要だといえる。

本記事では、飲食店における採用単価の計算方法や、採用単価が高騰している背景、コストの内訳、そして具体的なコスト削減方法について解説する。

>>飲食店“専門”の求人サイトだから即戦力が見つかる。社員とアルバイトまとめて19,800円で掲載可!

飲食店における採用単価の計算方法

採用単価とは、1人の採用にかかった費用のことを指す。採用単価は「採用にかかったすべての費用÷採用人数」で計算でき、費用には広告費や人件費、その他の関連コストをすべて含めて算出する必要がある。

費用の算出において注意したいのは、単純な媒体費だけではなく、採用担当の工数や面接準備などの間接費用も含めるということだ。また、飲食店においては、アルバイトと正社員の双方を採用することが多いため、職種別に算出することも重要になる。

採用単価を正確に把握できれば、現状の採用効率を改善することも可能になるだろう。採用に関わるすべての費用を洗い出し、支出の内容を数値化することで、どの施策が効果的でどこに無駄があるのかを明確にできるからだ。

さらに、時期ごとの採用単価を比較することで、採用市場の変動や施策改善の成果を把握し、継続的な改善を図ることができる。採用単価の算出は飲食店経営において不可欠な指標だといえる。

採用単価が高騰している背景

飲食店における採用単価が高騰している背景には、労働力人口が減少し、サービス業全体における人材獲得が激化している現状がある。特に飲食業界は、他業界と比較して給与水準が高いとはいえず、労働環境も厳しいことが多い。その結果、求人広告への依存度が高まり、広告掲載回数や期間が増えることで採用コストが上昇していると考えられる。

なお、アルバイト採用においては、1人あたりの採用単価が一般的に5万円前後となることが多い。この費用には求人広告費に加え、面接や採用手続きにかかる工数が含まれるため、掲載媒体の選定ミスや応募対応の遅延などがあると、さらに費用が膨らむ構造にある。短期離職が発生すればさらにコストがかかることになってしまう。

一方、正社員の採用単価は、1人あたり30万〜40万円程度が多くの飲食店にとって容認できる水準といえる。専門人材や管理職ポジションではさらに高額となることもあるだろう。特に正社員は長期的な人材育成を前提とするため、採用単価だけでなく定着率や教育効果を踏まえた採用戦略が必要だ。

画像素材:PIXTA

画像を見る

採用単価に含まれる具体的なコストの内訳

採用単価を下げるには、まず具体的にどのような費用がかかっているかを理解する必要がある。ここでは、採用単価に含まれる具体的なコストの内訳について解説する。

■求人広告費・媒体掲載料
求人広告費と媒体掲載料は、採用単価の中でも直接的に影響を与える費用といえる。飲食店では、アルバイト採用における媒体選定が成果を左右するため、主要な求人媒体の費用相場を理解することが大切だ。

例えば、全国展開の大規模媒体は応募数が期待できる一方、費用は高くなりやすい。一方、地域密着型の媒体はコストを抑えやすいが、ターゲットが限られるため応募数が限定的になることもある。

また、求人媒体には大きく分けて成功報酬型と掲載課金型があることも理解しておきたい。成功報酬型は採用が決まった時点で費用が発生する仕組みであり、無駄なコストが発生しにくい利点がある。一方、掲載課金型は期間に応じて費用を支払う方式で、掲載中に希望する人材を獲得できればコスト効率は高い。ただし、募集内容やタイミングが悪ければ成果が出ず、費用が無駄になるリスクもある。各媒体の特徴と自店の状況を照らし合わせ、柔軟に戦略を組むことが重要だ。

■採用担当者の人件費・間接費用
採用担当者の人件費や間接費用は、見えにくいコストだが、応募管理や面接日程の調整、面接対応、採用判断などに要する時間を考えると、多くのコストがかかっている。これらを正確に把握することで、採用コストを正確に把握できるようになるだろう。

特に忙しい飲食店では、店長や管理者が採用業務を兼務することが多く、本来の店舗運営に割くべき時間が削られる可能性もある。これにより、サービス品質や売上への影響が出てくると、見えない形でコストが膨らんでしまう。

■教育・研修にかかる費用
新人教育にかかる費用は、研修時間や指導担当者の工数、教材やマニュアル作成費用など多岐にわたる。とりわけ飲食店では、接客スキルや衛生管理など、現場に即した教育が必要になるため、教育体制が整っていない店舗ほどコストが増加しやすいといえるだろう。教育投資を最適化するためには、マニュアル整備や研修プログラムの標準化が有効である。

さらに、早期離職を防ぐための初期教育は重要だ。せっかく採用したのに離職してしまうと、再び採用コストが発生し、教育投資が無駄になってしまう。定着を促進するための職場環境整備やフォロー体制を整えることで、採用コスト全体を圧縮できるようになるだろう。

■人材紹介会社への手数料
人材紹介会社の手数料は、飲食業界では一般的に20〜30%程度が相場とされている。管理職や専門スキルを持つ人材を採用する際には、紹介会社を利用すると効果的だが、その分費用が高額になるため、採用目的に応じた適切な判断が求められる。

■その他にかかる雑費・ツール利用費
採用活動には、求人広告や紹介サービス以外にもさまざまな雑費が発生する。例えば、採用説明会の参加費やイベント費用、ノベルティ作成費用、交通費などが挙げられる。こうした細かな支出が累積すると、採用単価を押し上げる要因となるため、漏れなく把握しておきたい。

画像素材:PIXTA

画像を見る

飲食店の採用単価を下げる方法

採用単価の内訳を理解したら、どの部分でコストを削減できるかを考えたい。自店の状況に合わせて飲食店の採用単価を下げる方法を紹介する。

■求人媒体の最適化と見直し
求人媒体の選定は、採用コスト削減に直結する重要な要素だ。自店のターゲット層に合った媒体を選ぶことで、無駄な広告費を抑えつつ、必要な人材を効率よく獲得できる。

例えば、学生アルバイトを中心に採用したい場合、周辺の地域媒体や学生向け求人サービスを活用することが有効だといえる。一方で、幅広い層にリーチしたい場合は、汎用性の高い大手求人媒体が適している。媒体ごとの特徴を理解し、費用対効果を意識して選択することが大切だ。

また、掲載内容やタイミングを工夫することで、同じ予算でも応募効果を高めることができる。例えば、写真や雰囲気紹介を充実させたり、シフトの柔軟さや働きやすさを明確に打ち出したりするなど、応募者が求める情報を的確に伝える工夫が必要だろう。

■リファラル採用や知人紹介制度の導入
リファラル採用は、採用コストを抑えつつ質の高い人材を確保できる手法として注目されている。既存従業員からの紹介であるため、信頼性が高く、職場環境への理解も得やすい。また、紹介者との関係性があるため、入社後の定着率が高くなる傾向にあり、短期離職による追加採用コストを削減できる点が大きなメリットといえる。

なお、制度設計の際には、紹介成功時の報酬やギフト制度などを導入することで、従業員の紹介意欲を高められるだろう。ただし、インセンティブが過剰になると逆効果となるため、費用対効果を考慮しながらバランスを取ることが求められる。

■応募・採用プロセスの効率化
応募から採用までのプロセスを効率化することで、採用単価を大幅に下げることができる。具体的には、応募フォームの改善や必要項目の見直しにより、応募者の負担を軽減することなどが挙げられる。また、問い合わせや応募があった際には迅速に対応し、面接日程の調整をスムーズに行うことで、優秀な人材を逃さず確保できるようになるだろう。

飲食業界では、候補者が複数の店舗に同時応募しているケースもあるため、返信や面接設定が遅れると他店舗に流れてしまうリスクがある。プロセス全体を見直し、効率化を図ることが採用につながるといえる。

■採用後の定着率改善への投資
採用単価の削減は、入社後の定着率を高めることで実現できる。離職率が高い場合、採用コストが無駄になり、新たな採用活動が必要となるため、長期的なコスト削減には職場環境の改善が欠かせない。働きやすい環境作りや明確な評価制度、コミュニケーション体制の強化などに取り組むことで、従業員の満足度を高めることができる。

具体的には、入社後のフォローアップ体制を強化すると効果的だ。初期の不安を解消し、業務に慣れるまで丁寧なサポートを行うことで、早期離職を防げる。

■オウンドメディアや採用サイトの活用
オウンドメディアや自社採用サイトを活用することで、長期的に採用コストを抑えることができる。店舗の魅力や理念、働く環境を発信し、応募者に働くイメージを持たせることで、ミスマッチを防ぎつつ自店舗に合った応募者を集められる。特にSNSと連携した情報発信は、コストを抑えつつ広範囲にリーチできる手段として有効だ。ブランディング効果も期待できるため、飲食店にとって価値の高い取り組みだといえるだろう。

画像素材:PIXTA

画像を見る

採用単価を下げるには求人サイトの活用を!

採用単価を下げるためには、採用活動の効率化と定着率向上の二軸で戦略を立てることが重要だ。まずは各コスト項目を詳細に洗い出し、無駄な支出を削減することから始めたい。また、採用市場ではスピードと情報発信力が求められる。そのため、効果的な求人サイトを活用し、ターゲットに直接リーチできる仕組みを整えることが大切だ。

弊社が運営する飲食店専門の求人サイト「求人飲食店ドットコム」 では、社員とアルバイトまとめて19,800円で募集が可能。採用コストを抑えたい飲食店の方は、ぜひ一度ご相談を!

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com