「アサイー」継続、「ハイボール」は高級化へ。経営者が予測する2026年の食トレンドとメニュー戦略
物価高騰や消費者意識の変化の中で、飲食店経営者にとって「食のトレンド予想」は、メニュー開発や業態戦略を左右する重要なテーマだ。
「飲食店ドットコム ジャーナル」では、飲食店経営者・運営者を対象に「2026年の食のトレンド予想」に関するアンケート調査を実施した。本記事では、調査結果から見えてきた2026年における食の方向性と、今後の経営戦略のヒントを探っていく。
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■調査概要
調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:273
調査期間:2025年12月1日~2025年12月15日
調査方法:インターネット調査
※詳しい調査結果はこちら
「とりあえずハイボール」からの脱却。注目される“高付加価値”アルコールとノンアル系
2026年に人気を博す(またはブームが継続する)と飲食店経営者が注目している食材・メニュー名を調査したところ、具体的なメニュー名として最も多く挙げられたのが「ハイボール」だ。中でも、「高級ウイスキー」「国産ウイスキー」「フルーツハイボール」など、付加価値を持たせたハイボールへの関心が高まっている。“とりあえず”から“選ばれる一杯”へと、より進化していきそうな気配だ。
さらに、「翠(すい)ジンソーダ」などのクラフトジンや蒸留酒は、「食事に合う」「糖質が低い」といった理由から、2026年も需要が定着するとみられている。
同時に、若年層のアルコール離れを背景に、「ソバーキュリアス(あえて飲まない)」層に向けた市場の拡大も目立つ。「ノンアルカクテル(モクテル)」や「高級茶(抹茶・台湾茶)」など、お酒の代わりになる“嗜好品”としてのドリンクもカギになるだろう。
「麻辣」「アサイー」は根強い人気。2026年のトレンド本命は?
アルコールやその他のドリンクを除く特定の食材においては「麻辣」「チーズ」「アサイー」などが上位に挙がった。アサイーは一過性のブームというよりも、すでに定着フェーズに入ったと見る経営者が多い。健康志向とSNS映えを両立するメニューとして、2026年以降も人気が継続するとの声が上がっている。
麻辣は「麻辣湯(マーラータン)」や「火鍋」など、いわゆる“ガチ中華”の流れをくむジャンルとして存在感を強めている。“シビ辛”という明確な個性が差別化要素として支持され、新たな定番ジャンルとして定着しつつあるようだ。
2026年の消費者トレンドは「ウェルネス」と「本物志向」の二大潮流へ
経営者がなぜその食材やメニューに注目するのか。その最大の理由を聞いたところ、以下の2項目が上位となった。
・「健康・ウェルネス志向の高まり(免疫力強化、ヘルシーなど)」(21.6%)
・「味の追求・本物志向の高まり」(16.8%)
興味深いことに、トレンドは「健康」と「本物」へ二極化する結果となった。無難な中間層よりも、どちらかに振り切ったメニューの開発を行う傾向にあるようだ。
ウェルネス分野では、ナチュラルワインやグルテンフリー、発酵食品などが注目されている。この傾向は、厚生労働省が進める「健康的で持続可能な食環境づくり」という政策とも重なる動きだ。
一方の本物志向では、二郎系ラーメンやハンバーグといった、いわゆる“背徳感”のあるメニューへの支持も根強い。
また、自店での導入予定については、「すでに提供している」(43.6%)、「準備・検討中」(19.4%)を合わせると過半数にのぼり、トレンド導入に前向きな姿勢がうかがえる。一方で「コストや手間の問題で迷っている」(8.1%)という切実な声も見られた。
流行を追うだけでは勝てない。「自店の強み×トレンド」で選ばれる店へ
自由回答では、トレンドと独自性を掛け合わせたユニークなアイデアも多く見られた。
・一汁三菜ボウル:健康志向とワンプレートの手軽さを融合
・進化系おにぎり:米価高騰の懸念はあるが、依然として専門店ブームが続くと予想
・赤道直下のスイーツ:酷暑を背景に、東南アジア系の冷たいデザートに注目
・酒ハイ(日本酒ハイボール):日本酒をソーダなどで割る、新しい飲用スタイルの提案
飲食店経営者にとって重要なのは、トレンドをそのままなぞることではなく、自店の強みやコンセプトとどう掛け合わせるかにあるだろう。アサイーや麻辣、ハイボールといった要素をヒントに、いかに独自の価値へと昇華させるかが問われる。
2026年は、「何を売るか」だけでなく「なぜ自店で提供するのか」というストーリーを明確にした店が、長く愛される繁盛店となりそうだ。














