下北沢『焼野菜 銀河団』の“若者が定着する”チーム作り。アルバイトの熱狂を生む仕組みとは?
「時給目的」を超えてアルバイトが参加する「経営塾」
現在、同社の現場を支えるスタッフの約8割を、学生アルバイトが占めている。彼らのエンゲージメントを高め、自発性を引き出しているのが、年4回程度開催されるアルバイト向けの全体会議、通称「経営塾」だ。この日は両店舗をあえて休業にし、2〜3時間の講義とミーティングに時間を割く。
「若者からすれば、本来バイト先の会議になんて出たくないはず」と達川氏は分析するが、時給が出るから参加する、出ないから参加しないという次元の話にはしたくなかったという。そこで経営塾では、単なる接客マニュアルにとどまらない「社会のリアル」を語りかける。
「『大人になってから人から何か教えを請うと、すべてお金がかかる。でも今のうちならタダで学べるんだよ』と伝えます。例えば人口減少の話をして、毎年相模原市1個分の人口が減っていること、だからこそこれから先は働けることの価値が上がるんだよ、といった話をします」
マクロな視点から社会の現状を説きつつ、実際の店舗に届いたクレーム事例なども取り上げる。
かつては他社の真似をして毎月のように会議を行っていた時期もあったNumbers。しかし回数が多いと内容が薄まり、参加するアルバイトの満足度も下がってしまった。営業日を削ってまで実施するならと頻度を見直し、年4回に絞ったことで内容は圧倒的に濃くなった。今では会議終了後、アルバイトから達川氏へ直接お礼のLINEが届き、次回の開催を心待ちにするほどの熱量を生み出している。
その結果、スタッフが指示されずともお客へメッセージカードを書くなど、能動的なおもてなしが浸透している。週1日・1日3時間からOKの柔軟なシフトや、スタッフ同士で囲む1日2回のまかないといった働きやすい環境も、彼らの帰属意識を高めているようだ。
2026年3月に焼鳥業態『焼鳥とお野菜 一等星』も下北沢にオープン
日々の業務連絡やナレッジの共有には、徹底してLINEを活用するNumbers。店舗ごとや部署ごと、プロジェクトごとにグループを作成し、ルール変更から衛生監査のレポートまで、あらゆる情報を「見える化」している。
メニューのレシピやオペレーションのマニュアルは、LINEのノートやアルバム機能を駆使してストックしている。現場で1から10まで教えるのではなく、事前に30%程度の前提学習を済ませてきてもらい、現場では重要ポイントの指導に集中することで教育の効率化を図る狙いだ。
2026年3月下旬には3店舗目となる焼鳥業態『焼鳥とお野菜 一等星』のオープンも同じ下北沢エリアで控えている。既存2店で月間約1,146名(2025年11月集計、電話と当日ウォークイン)を満席でお断りしている現状から、その受け皿として十分に集客できると踏んだという。
新店舗のキャッチコピーは「炭で焼いたらカロリーゼロ」。同社初めての1階路面店で、広さは既存店の約1.5倍の23坪ほどに及ぶ。客単価は約6,500円と、下北沢では少し背伸びしたミドルアッパーの価格帯を狙う。さらにランチ営業では、ご飯や玉子、上に乗せる鶏肉から各種トッピングまでをお客が自由に選べる「カスタム可能な親子丼」をひつまぶしスタイルで提供する予定だ。



