利益率30%超の千歳烏山『食堂 居場所』。“2人体制×月7日休み”で稼ぐ仕組みとは?
あえて「お通し」は出さない! 客単価を下げてでも来店率を高める逆転の発想
居酒屋にはつきものの「お通し」をあえて出さないのも『食堂 居場所』の特徴だ。客単価には影響するが、あえて「お通し」を出さないことで、家族連れの来訪を促し、リピート率を高めることにもつながると考えた。
「例えば家族連れにとって、お通しがあるとすごく入りづらいと思うんです。それに、2軒目使いで来られる場合、お通しが出てしまうと、お寿司を食べてきたから2軒目でワインを飲みたいと思っていたのにオクラのお通しが出てきたら冷めますよね。それなら頼みたいものを頼んでもらった方がいい。たぶん、お通しを出さないことで客単価は200~300円ぐらい落としている感覚もありますが、お店のポジティブな印象を与えることで再来店率を高めるなど客数に変えたいなと考えています」
ドリンクの人気メニューは柱でもある日本酒とお茶割り。お茶割りは「差別化と味とコスパ」を意識して、しっかりと店で煮出したお茶を使用する。
「煮出している、ということで差別化ができますし、味も煮出した方がペットボトルで買うよりおいしい。何より、原価がとんでもなく安い。とにかく利益が出る体質の状態をつくらなければいけないので。数値管理の大切さはキープ・ウィルダイニングで本当に学ばせていただき感謝でしかありません。少しでも原価を抑え、味もよければお客さまも我々もうれしいし、お茶は街のお茶屋さんから買っているので、お茶屋さんもうれしい。“三方良し”ですね」
小さな積み上げで月商420万円、利益率30%超え! 今後は生涯雇用スキーム構築へ
『食堂 居場所』は若年層や40、50代の男性も多いが、ボリューム層は20代後半から40代前半までの女性層。女性の1人客も「非常に多い」と言い、カウンター席は1人飲みの常連客で埋まる。中には週に3、4日通うお客もいるそうだ。現在はテーブル席のみネット予約を適用し、カウンター席は週末でもあえて空けているが、それは常連客の「居場所」をつくるためだと隅田氏は語る。
同店の客単価は4,700~4,800円で、来客数は月に約950人。現在は月曜定休、火曜不定休として月に7日の休日を設けているため、日に約40人が訪れている計算だ。1日6時間半の営業で、平均月商は420万円。前述の通り、仕込みから接客まですべて隅田氏と料理スタッフの2人体制でこなしており、営業利益率は30~35%に達するという。
「時間帯売上や生産性を非常に重視しています。実は、オープン当初は月に200万円もいかなかった。しかも、今よりも多い月26〜27日間の営業でした。ずっと低空飛行だったのですが、徐々に350万円ぐらいまで上がっていき、メディアに出てさらに一気に跳ねて、そこからは安定しています。数字が上向いた理由は、もう『小さな積み上げ』に尽きます。お客さまを大事にして、オペレーションをしっかり組んで、“当たり前”のレベルを高くする。Instagramはスタッフが投稿していますが、マーケティングやプロモーションはほとんどしていません。今は休みを増やすことにも注力していて、休みにする中でいかに利益を出していくか、売上を確保していくかを意識しています」
今後は、2店舗目、3店舗目とさらなる“居場所”づくりも構想していると隅田氏。それはお客のみならず、従業員にとっての“居場所”としても機能することを考えている。
「従業員にとっても飲食店は“居場所”。飲食業には生涯雇用のスキームがないと感じているので、世代別、年代別で働く場所が必要だと考えています。例えば、お客さまが20代のお店なら客単価は3,000円で、スタッフの年齢も20代。所得は大体25万円ぐらいでしょう。でも、お客さまとスタッフが30代なら、客単価は4,500円程度のお店になる。こんなふうに、客層や客単価の異なるジャンルの業態を2店舗ずつぐらい持てれば、スタッフは社内で技術を磨いてステージを上げていき、所得を上げられる。スタッフにとってふさわしいステージをしっかりとつくってあげたいと思っています」
そう意欲的に語る隅田氏。同社が今後、どのようにお客とスタッフの“居場所”をつくっていくのか。その挑戦に注目したい。
『食堂 居場所』
住所/東京都世田谷区南烏山6-5-7 明光ビル新館102
電話番号/03-5314-9992
営業時間/17:00~23:30
定休日/月曜(火曜不定休)
坪・席数/13坪・31席
https://www.instagram.com/shokudo_ibasho/











