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空前のブームを牽引する超人気店。凍結レモンサワーの元祖『素揚げや』に聞く、美味しさの秘密

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話を聞いた『素揚げや』の宮崎明代表

今、レモンサワーが人気を集めている。大手酒造メーカーも続々と新商品を発売し、居酒屋での消費量も増えているという。「(元祖)最強レモンサワー」が人気の『素揚げや』(東京都江戸川区、宮崎明代表)は連日満員の大盛況で、5月6日には祖師ヶ谷大蔵に2号店をオープンさせた。人気店のレモンサワーの秘密に迫った。

断るのが仕事? 1日30~100件「あいにく満席で……」

『素揚げや』本店はJR小岩駅から徒歩8分、繁華街からは少し離れた場所に位置する、16席(うちカウンター8席)の小さな店舗。派手な作りではなく、宣伝もしていないが、都内各所から訪れる客で連日満席、そのほとんどが予約で埋まってしまう。「お断りするのが普通の日で30人、週末は100人ほどですかね。申し訳ない話です」と宮崎明代表(49)は言う。

この異常とも言える人気の理由はオリジナルの「最強レモンサワー」にある。手羽や野菜などの素揚げ(衣をつけずにそのまま揚げること)にはもともとレモンの風味がマッチするが、客の多くはその「最強コラボ」を楽しみにやってくる。「ウチは『とりあえずビール』ではなく『とりあえずレモンサワー』ですね。最初の一杯はビールという方はいらっしゃることはいらっしゃいますが、そういう方でも2杯目からレモンサワーでしょうかね。16席、飲み物が全部レモンサワーという場合が多いです」と同代表。

店の人気の理由はこの「最強レモンサワー」にある

現在、全国的にレモンサワーがブームを迎えていると言われる。大手飲料メーカーが昨秋、居酒屋のアルコールの注文状況を調査したところ(2016年1-8月期)、アルコール全体の注文は対前年比2%減だったところ、レモンサワーは11%増だったという。「EXILE」がツアーの打ち上げでレモンサワーを2500杯飲んだ(メンバー14人+スタッフ約50人)という話がネット等で伝わると、ブームが加速したとも言われる。

こうした人気は、レモンサワーの手作り感が現代の消費者の性向にマッチしたのが一因と考えられている。ビールのようにメーカーからそのまま消費者のもとに届けられる場合、一定の品質は保証されるが、その一方で店の個性は発揮できない。その点、レモンサワーは各店舗の工夫で様々な味が楽しめる。それが消費者の多様なニーズに合ったと考えることに一定の合理性はある。

段ボールにぎっしりと詰まった広島県の瀬戸田レモン

最強レモンサワーの4つの特徴、秘伝のエキス

素揚げやの最強レモンサワーの特徴は以下である。
(1)国産レモンを、1杯につきほぼ1個使用
(2)レモンを氷結させて氷の代わりとしても使用
(3)マル秘のエキスを使用
(4)甘口、辛口と好みで選択が可能

レモンは国産のトップブランドである広島県の瀬戸田レモンだけを使用する。レモン農家から直接、ダンボールの箱で届けられる実物は、スーパーなどで売っているのと違って形は不揃いで、表面はゴツゴツとして光沢がない。これはワックスや防腐剤等を使用することなく、収穫されたままの物を詰めているからである。そうした外見が逆に産地直送を実感させ、客の信頼度を増す結果になっている。何より「外国産のレモンとは、そもそもの美味しさが違う」と同代表は言う。

この瀬戸田レモンをよく洗ってから八つ切りにして、冷凍庫で一晩カチカチに凍らせる。凍ったレモンを7つか8つ、こちらも冷凍庫で冷やしたグラスに入れる。グラス1杯に1個分のレモンという、何とも贅沢な使い方だが、これは氷がないから出来ることである。また、氷がないことから、アルコール度数は一定に保てるという効果もある。同代表によると普通のレモンサワーは氷が溶けるために最終的には度数が3%程度になってしまうという。しかし、氷のない「最強レモンサワー」ならほぼ6%の状態を保てる。つまり、氷が溶けて水のようになったレモンサワーを飲むことはない。

冷凍庫で一晩凍らせたレモン

凍ったレモンが入ったグラスにやや甘口のサワー酒(樽ハイ)をサーバーから注ぎ、最後に「門外不出のレシピ」(同代表)であるエキスを入れて完成である。エキスはレモン果汁をベースにしたもので、風味がより出るように工夫されている。

口にするとレモンの酸っぱい感触が口の中に広がり、爽やかな飲み口。レモンが皮ごと入っているのに、苦味のような嫌な味わいが全くなく、レモンの酸っぱさが食欲を増進させ、ジューシーな素揚げとともにいただくと何杯でもいけてしまう。

「生のレモンを半割りにして絞ると、レモンの皮と実の間の白い部分の苦味が出てしまいます。そうするとレモンの味の後に、渋みと苦味が追ってくるんです。ウチのは絞ってないからそれがありません」と同代表は説明する。

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松田 隆

About 松田 隆

青山学院大学大学院法務研究科卒業。ジャーナリスト。スポーツ新聞社に29年余在籍後にフリーランスに。「GPS捜査に関する最高裁大法廷判決の影響」、「台東区のハラール認証取得支援と政教分離問題」等(弁護士ドットコム)のほか、月刊『Voice』(PHP研究所)など雑誌媒体でも執筆。ニュース&オピニオンサイト「令和電子瓦版」を主宰:https://reiwa-kawaraban.com/