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飲食店の予約キャンセル対策。ドタキャン客の電話番号をブラックリスト化したサービスも

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Photo by iStock.com/Wavebreakmedia

業界全体の課題に各社から新サービスが続々登場

では、そのほかに飲食店側が自衛策として導入できるサービスは、どういったものがあるだろう。無断キャンセルにあった飲食店がSNSなどで被害を報告することがニュースになり社会的にも注目される今、対策サービスに乗り出す企業が増えているようだ。

■「トレタ」のお見舞金サービス
これまでにも予約確認メールの配信や予約時に前受け金を預かるデポジット機能など、キャンセル回避のためにさまざまなサービスを提供してきた「トレタ」。同社が今年2月から始めたのが「お見舞金サービス」だ。デポジット決済利用時にキャンセル料金を1万円以上に設定した予約が無断キャンセルになった場合、1万円のお見舞金がもらえるという。キャッシュで補償してもらえるのは、飲食店側としてもありがたい画期的なサービスだ。利用するにはトレタの契約プラン「プラス」、または「2ねんプラス」への契約が必要(利用料:16,000円/月)。

■「テーブルソリューション」のキャンセルプロテクション
キャンセルプロテクションは、「テーブルソリューション」が6月にスタートさせたばかりのサービス。予約を受け付ける際、クレジットカードによる事前決済をすることを可能にしており、これが無断キャンセルの抑止につながっている。じつはこれまでにも同社から同様のサービスはあったが、以前との大きな違いは導入費用・月額固定費が無料になったこと。費用負担を軽減することで、サービスの普及を図る。

■中国・台湾の訪日客に向けた「ぐるなび」の事前決済予約
訪日客が増える中、多くの観光客が飲食店を利用する一方、ノーショウ問題がより深刻になっている。言語の問題などでこちらから電話をかけることも難しいという場合も多く、対策に迷う店もあるだろう。そんな海外からの観光客に向けた対策として注目したいのが、オンラインで旅行予約サービスを提供する中国の「Ctrip」、台湾の「KKday」、そして「ぐるなび」が提携した飲食店予約サービス。「ぐるなび」が提携するレストランの情報を多言語で掲載し、金額が明確なコース料理を事前決済予約で受け付け。飲食店側のリスクが軽減される。

飲食店の売上に大きく影響する予約キャンセル。これまでは泣き寝入りするしかなく悔しい思いをしてきた飲食店経営者の思いを受け、業界全体でこの課題に立ち向かうべくさまざまなサービスが展開され始めた。それぞれを比較しながら自分の店にぴったり合ったサービスを選び、解決に向けて積極的に取り組んでいきたい。

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戸田千文

ライター: 戸田千文

広島・東京を中心に活動するフリーランスの編集・ライター。これまでにグルメ冊子や観光ガイドブック、町おこし情報誌などの編集・執筆を担当。地方の魅力を首都圏に発信する仕事をするのが夢。おいしい地酒を求め、常にアンテナを張り巡らせ中。