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飲食店にも「好景気」到来の兆し!? 個人の消費動向、「外食」は上向き傾向

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Photo by iStock.com/aluxum

ここ数年、日本は好景気だと言われている。ニュースからは「日経平均株価が高値を更新」、「求人倍率高水準」といった言葉が聞こえてくる。だが好景気の恩恵を一般の消費者は実感しづらい状況が続いており、個人消費の伸びにはなかなかつながらない。2017年、外食業界では販売不振による倒産が増えてしまった。

しかし、この数ヶ月で個人の消費動向が上向きだした。「ホットペッパーグルメ外食総研」の発表によると、2017年12月の外食市場規模は4,213億円(首都圏・関西圏・東海圏の3圏域合計)で、7カ月連続で前年を上回ったと発表した。業態別では、主要16業態中10業態が前年比プラスになった。特に焼肉、ステーキ、ハンバーグ等の専業店(前年比+32億円)、居酒屋(前年比+27億円)で訪問回数・単価ともに前年を上回り、市場規模が増加したという。

さらに、「日経消費DI」の1月度調査では、外食、物販、サービスの業況判断指数が小幅ながらそろってプラスになった。この調査結果は消費者の支出意欲を示しているとも言えるため、好景気の本格的な影響が外食業界にも訪れる日が近いということだろう。

Photo by iStock.com/winhorse

業績上向く大手飲食企業も

大手飲食企業の動向からは、すでに個人消費の回復が読み取れる。日本マクドナルドホールディングスは、2017年12月期の連結決算で営業利益が189億円と前の期の2.7倍になったと発表した。また、縮小してきた店舗網を10年ぶりに増やす方針も打ち出した。2020年12月期までの3年間で約150~200店舗出店し、店舗数は100店舗以上も純増させるという。日本全国に相当数の店舗をもつマクドナルドの復活は、ファーストフード業界のみならず、外食業界の盛り上がりの兆しだろう。

2017年10月に28年間維持してきた280円均一を298円均一へと値上げした居酒屋チェーンの『鳥貴族』も好調を維持している。値上げをはじめた10月の既存店売上高は前年同月比3.8パーセント減となったものの、11~12月はプラスに転じた。同店ではコストパフォーマンスの評価が高かっただけに値上げの影響が出るのではないかと注目が集まったが、消費意欲の高まりが勝ったようだ。

3月の歓送迎会シーズンがもうすぐ始まろうとしている。このシーズンは、ビジネスマンだけでなく、主婦層なども動く。外食需要の高まりは大手飲食企業だけでなく、さまざまな業態の個人店にも広がっていくはずだ。好景気の波に乗るためにも、すぐに集客準備に取りかかることが大切だ。ただ、外食市場が盛り上がりを取り戻したときの不安材料として「人手不足」の問題がある。新しい人材の確保と既存社員の離職の防止の両面から対策を進めておきたい。

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岩﨑美帆

ライター: 岩﨑美帆

1982年生まれ。NPO活動に没頭した 大学時代、塾講師、広告営業を経て、フリーライターに。食・健康・医療など生と死を結ぶ一本線上にある分野に強い関心がある。紙媒体、Web媒体、書籍原稿などの執筆の他、さまざまな媒体の企画・構成の実績がある。好きな言葉は「Chase the Chance!」