東京都条例成立、2020年に飲食店原則禁煙。個店の声は「時代の流れ」「みんな一斉なら・・」
条例見越して禁煙の店舗も「これが時代の流れ」
一方、2017年9月にオープンした『博多串焼き ハレノイチ』の板木駿一オーナーは、今回の条例成立を見越して全面禁煙としていた。「この店が決まるぐらいのタイミングで、東京都の条例が話題になっていて小規模店舗も全面禁煙になると言われていました。途中から喫煙を禁煙にするのも難しいですし、それなら『外で吸っていただこう』ということでオープン時から禁煙にしました」と事情を明かす。その上で、「『串焼きの店で煙が出るのに、たばこはダメなの?』ですとか、『たばこが吸えればもっと来るのに』と言われることはあります。そういう時は『すみませ~ん』と謝るだけです(笑)。逆に『ここ、たばこ吸えないんだ。いいね』と非喫煙者のお客さんから言われることもあります。そういったことを考えると一概に禁煙がいい、悪いとは断じられません。言えることは、これが時代の流れということでしょう」と同オーナーは言う。
メディアの報道は加熱も、案外冷静な個店の実情
喫煙に対する社会の厳しい目は、ここ数年、特に強くなっており、そのことは喫煙者率の劇的な低下につながっている。男性の5人に4人が喫煙者だった半世紀前と、4人に1人が喫煙者でしかない現代では、飲食店における対応が変わって当然。こうした劇的な影響力を持つ条例が、その流れを決定付けるものであるのは確かだが、當山氏が言うように全店舗一斉なら、その影響は案外少ないのかもしれない。
各メディアではこの話題が大きく取り上げられ「飲食店から悲鳴」といった内容の記事も少なくなかった。しかし、実際には完全施行がまだ先という事情もあって、比較的冷静に受け止められているように感じられる。それは経営者が、時代の流れを感じとっていることに他ならないことの証左とも言えるのではないだろうか。