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絶好調・吉田将紀氏の「人が輝く経営術」。大切なのは「人間味のある店づくり」

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株式会社絶好調の代表取締役・吉田将紀氏

『絶好調てっぺん』をはじめ、『ROBATA幸』や『燗アガリ』『陽ノ鳥』といったブランドを展開し、新宿でひと際大きな存在感を放つ株式会社絶好調。近年、『‎原始焼き 火鉢』といった高単価の業態を開発したり、感度の高い飲食店が集まる神楽坂に進出したりと、成長ステージを変えて躍進を続けている。

それを支えているのがスタッフ一人ひとりの力だ。「大家族経営」という第二の我が家のような組織運営を行うからこそ、圧倒的に雰囲気が良く、それがサービスレベルの高さに繋がっている。粒揃いのスタッフを束ね、絶好調はどこを目指していくのだろうか。代表取締役の吉田将紀氏に話を伺った。

世界一の繁盛店を目指して

━━株式会社絶好調といえば、新宿でドミナント経営をすることで成功を収めている飲食企業として有名です。創業時、なぜ新宿での出店を決めたのですか。

吉田将紀氏(以下、吉田) 世界一の居酒屋を目指そうと思ったからです。そもそも僕は独立前、てっぺん(東京都渋谷区、代表取締役・大嶋啓介氏)で働いていました。てっぺんが目指しているのは日本一の居酒屋です。せっかくそこから独立するのだから、もっと上を目指そうと思い、世界一という目標を掲げました。

とはいえ、何を成し遂げれば、世界一と呼ばれるのかという指標がありません。そこで目を付けたのが新宿です。てっぺんの前にダイナック(東京都新宿区、代表取締役社長・若杉和正氏)に在籍していて、本社が新宿にあったのでマーケットは把握しています。それに新宿駅は乗降客数が世界一で、感度が高い飲食店も少なくありません。そんな新宿で一番の居酒屋になれたら、世界一と言ってもいいのではないか。そう思い、新宿での展開を決めました。

少ないリソースで勝てる店舗をつくった創業期について話す吉田氏

━━創業店の『絶好調てっぺん』は雑居ビルの9階に入っているにもかかわらず、連日、大盛況です。どのようにして繁盛店に成長させていったのか教えてください

吉田 隠れ家のような雰囲気を演出でき、家賃も安いので出店を決めました。ところが、ふたを開けてみると、管理費が高かったり、募集図面より坪数が少なかったりとトラブルが相次ぎます。

また、創業店のグランドオープンは11月11日でしたが、その1か月以上前の10月5日からシークレットオープンをしていました。とはいえ、店があるのは新宿の外れの雑居ビルの空中階です。お客様は誰もやって来ません。メンバーは6人に対してお客様は1組だけという日も珍しくなかったですね。なので、あの手この手を使って、目の前のお客様を喜ばせようと頑張りました。

そうした経験を通して、スタッフの中に「お客様が来店されるのは当たり前ではない」という意識が芽生えます。「数ある飲食店の中から、わざわざ当店を選んで来店いただいている。だからこそ期待以上のものを提供しないと」という仕事に対する高い熱量も生まれました。

雑居ビルの9階にあるとは思えない絶好調てっぺんの店内の様子

━━そのような効果を狙って、あえてシークレットオープンを行ったのですか?

吉田 はい、もともと駅から徒歩15分圏内なら、お客様にご来店いただける自信がありました。しかし、現場の人間はなぜお客様が来店してくれるのかを勘違いしがちです。メディアの力を自分たちの力だと過信してしまうこともあります。

てっぺん時代、真冬にわざと雪駄で呼び込みをしていました。「大丈夫?」と声を掛けられたときに元気に返すと、僕らに興味を持ってくれます。てっぺんの創業時、そうしたやり方でお客様を引っ張ってくるほど、一人ひとりのメンバーが繁盛店にしようという強い気持ちを持っていたのです。

絶好調のメンバーにも、お客様を呼び込む力を養ってもらいたい。そう思い、あえて早めにシークレットオープンをして、商品開発はもちろん、チームづくりや人材育成に力を入れました。

ベースとなるサービスが良いからこそ、サプライズのあるサービスのインパクトも高まる

お客様には圧倒的な感動と強いインパクトを

━━絶好調では、他店ではなかなか思いつかないサービスが話題です。どのように出来上がっていったのか教えてください

吉田 そもそも新宿は世界一飲食店が多いので、再来店していただくにはお客様の記憶に残らないといけません。つまり強烈なインパクトが必要なのです。そうした条件の下、「どうやってお客様に来てもらおうか」と真剣に考えた結果、今につながる多くのサービスが生まれました。

例えば、当時はフェイスブックもインスタグラムもありません。ですから、お客様と名刺交換をしたあと、インターネットで会社のホームページやブログを調べ、その会社のロゴやお客様の顔写真をハガキに印刷して渡したりしていました。自分の顔写真が入ったハガキはなかなか捨てられませんからね(笑)。また、お見送りも全力で行っていました。ビルのエレベーターの速度が遅いので、9階から駆け下りたらお客様より先に1階に着きます。そうした環境を活かして、店の前だけでなく、ビルの前でもサプライズのあるお見送りをしていました。

大切なのは記憶にも記録にも残る施策です。そこに注力したことで絶好調のサービスを誰かに話したり、お渡しした手紙を保管したりする方が増え、次第にお客様の数が多くなっていきました。

━━創業当時から、他店を圧倒するサービスを行っていたのですね。高いサービスを実現するために大切にされていることはありますか

ご案内からおしぼり、ファーストドリンク、お通しまでの5分間。そこで圧倒的な感動とインパクトを与えられるようにしています。もし18時に予約をされていたら、その少し前に店の近くで待ち伏せして、「〇〇様ですか?」と声を掛けています。

社内で繰り返し言っているのは「予約イコール感動の準備」「感動は前倒しに」ということです。最初に「いい店だ」と感じていただけると、その後、仮に料理の提供が少し遅れても許してくれます。いい印象を少しずつ積み重ねる。その地道な繰り返しこそ、特別な店への近道なのではないでしょうか。

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三輪大輔

About 三輪大輔

歓楽街情報誌や放射線技師専門誌、歯科衛生士の求人誌などを経て、2014年に独立。現在、『月刊 飲食店経営』の編集委員をつとめるなど、外食業界の取材を精力的に行う。これまでインタビューをした外食企業の経営者は100名を超える。