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2019年の外食需要は前年比1.9%増。ファーストフードは好調、一方で居酒屋は不調続く

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画像素材:PIXTA

日本フードサービス協会が、2019年の外食産業市場動向調査の結果を発表。外食全体の売上は101.9%と5年連続で前年を上回った。

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外食全体の売上は前年比1.9%増。デリバリーやテイクアウトが増加

日本フードサービス協会が発表した「外食産業市場動向調査」によると、2019年の外食需要は7月の長雨や10月の台風19号による被害、消費増税などの影響により前年を下回る月もあったが、ファーストフードの好調に支えられ、外食全体の売上は前年比1.9%増と5年連続で増加した。

「ファーストフード」は洋風などを中心にデリバリーやテイクアウトなどが増加し好調。「ファミリーレストラン」は洋風や和風が不調だったが、中華や焼き肉が堅調で、客単価の上昇と相まって売上はほぼ前年並みだった。一方、「パブレストラン・居酒屋」は店舗減少と客単価低下により、引き続き前年を下回った。

業態別の売上では、「ファーストフード」は103.4%で4年連続の前年超え。「ファミリーレストラン」(100.3%)、「ディナーレストラン」(101.5%)、「喫茶」(102.6%)もそれぞれ8年連続で前年を上回った。一方で、「パブレストラン・居酒屋」(98.9%)は11年連続で前年を下回っている。

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台風被害や消費増税が売上・客数に大きく影響

四半期別の動向でみると、全体の売上は台風による被害や消費増税などの影響を受けた第Ⅳ四半期(10月~12月)が100.4%と最も伸び率が低く、それ以外の期はおおむね102%台で推移した。業態別では、「ファーストフード」「ディナーレストラン」「喫茶」はすべての期で前年を上回り、「パブレストラン・居酒屋」は、第Ⅰ四半期(1月~3月)は前年を超えたが、第Ⅳ四半期には前年を大きく下回った。

全体の客数も、売上の伸び率が低かった第Ⅳ四半期が前年を下回り、業態別にみると、すべての期で前年を上回ったのは「ファーストフード」のみ。「ディナーレストラン」以外の他業態は複数の四半期で前年を下回り、特に第Ⅳ四半期の落ち込みは顕著だった。

一方、全体の客単価は、すべての期で前年を上回り、業態別にみても「パブレストラン・居酒屋」以外は全期で前年を超えた。「パブレストラン・居酒屋」は、忘年会が不調だった第Ⅳ四半期が通年の結果を押し下げている。

2019年の外食需要は、自然災害や消費増税の影響で不調な期があったものの、前年を上回る結果となった。特にファーストフードは好調で、デリバリーやテイクアウトの需要の高まりが追い風になったようだ。調査資料には、1994年から2019年までの年間データも掲載されている。ぜひ客のニーズやトレンドの変化を分析する際の参考にしてほしい。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。