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【新型コロナ】テイクアウトで注文殺到、甲府『Ajito』が実践する「ある戦略」

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『Ajito』が行っているテイクアウトの様子

新型コロナウイルスの感染拡大で外食業界は大きな打撃を受け、一時的に休業する事業者も少なくない。そのような状況下、山梨県のバーベキュー専門店『アメリカンBBQダイニングAjito』(甲府市、代表:滝口幸孝)が、客との接触をなるべく減らすドライブスルー形式の新サービス「心は接触(ハート)テイクアウト」(※ハートは絵文字)を開始。生き残りのために必死の経営努力を続けている。

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接触を極力減らした「心は接触 テイクアウト」

政府が4月7日に発出した緊急事態宣言(その後、全国に拡大)に山梨県は含まれていないが、状況は極めて深刻。3月30日に飲食店勤務の女性が感染したことが判明(県内5例目)すると、一気に客足が遠ざかったという。滝口幸孝代表は「山梨の飲食業はほぼ全店と言っていいほど、大打撃を受けていると思います。4月前半時点で、当店の売上は前年比7割から8割減です。恐らくほかの飲食店も7割減程度ではないかと思います」と説明する。

『Ajito』代表の滝口幸孝氏

そうした状況下で、4月10日から「心は接触(ハート)テイクアウト」(※ハートは絵文字)という新サービスを始めた。これは感染防止を主眼に置き、必要最小限の接触にとどめ商品を持ち帰ってもらうもの。従来もテイクアウトのサービスはあったが、店内で待って商品を受け取るというものであった。一定時間滞在するため、感染リスクは存在する。そこで新サービスは以下のようなものとした。

【心は接触 テイクアウト 注文から支払いまで】
1、専用のインターネットページからメニューを選ぶ
2、予約専用電話で注文商品・数量・引き取り希望時間を伝える
3、店舗の駐車場に到着後、専用電話に連絡
4、スタッフが商品を自動車まで運ぶ
5、支払いはキャッシュレス決済のみ

この流れであれば客は自宅から自動車に乗ったまま商品を受け取って帰宅できる。従業員との接点は運転席で商品を受け取り、代金支払いをする時だけ。キャッシュレス決済にしたのも、現金だと多くの人が紙幣に触るため感染リスクが多少なりとも大きくなることを考慮し、カードやスマートフォンで済ませる。従業員はマスクをして、手も消毒してから受け渡しを行うため、感染リスクはゼロに近い。これならば「感染が怖いから、外食を控えよう」と考える人も、精神的なハードルがかなり低くなる。

ドライブインテイクアウトのチラシ

経営効率が悪くても安全優先のキャッシュレス決済

滝口氏は2月に新型コロナウイルスが話題になり始めたころから、リスク軽減のためテイクアウトに力を入れ始めた。しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大していく中で、社会の不安は増大していく。滝口氏は導入への経緯を次のように語る。

「店のオーナーとして経営の原点はお客様、従業員を大切にすることです。どんな状況でもそれを忘れてはいけないと思いました。安全性を考えると、ファストフードが行なっているドライブスルーは接触率が少なく、新型コロナウイルス対策として理想的です。それを普通の飲食店がやるにはどうすればいいかを考え、店内に入らずにメニューが見られ、その上でキャッシュレス決済に限ってさらに感染可能性を下げていこうという方法にたどり着きました。お客様との接触は心だけにしようということです」

キャッシュレス決済は通常、手数料が3%程度かかり、現金決済より利益率は下がる。それでもキャッシュレス決済にこだわったのは、ただ1点、安全の確保の徹底である。「『現金しかないので何とかなりませんか』という声をいただきましたが、『申し訳ございません』と丁重にお断りしました」と言う。1件の例外から感染が広がるかもしれない。それを考えるとルールを曲げるわけにはいかない。

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松田 隆

About 松田 隆

青山学院大学大学院法務研究科卒業。ジャーナリスト。スポーツ新聞社に29年余在籍後にフリーランスに。「GPS捜査に関する最高裁大法廷判決の影響」、「台東区のハラール認証取得支援と政教分離問題」等(弁護士ドットコム)のほか、月刊『Voice』(PHP研究所)など雑誌媒体でも執筆。ニュース&オピニオンサイト「令和電子瓦版」を主宰:https://reiwa-kawaraban.com/