【新型コロナ】飲食店の倒産が11月時点で過去最多を更新。外食大手でも閉店相次ぐ
帝国データバンクの調査によると、2020年1~11月の飲食店の倒産が736件に達した。これまで通年(1~12月)で最多だった昨年の732件を上回り、11月時点で過去最多となることが確定。このペースが続けば、初の800件台に到達する可能性もあるという。
内訳をみると、全11業態中6業態が前年を上回っている。なかでも最も多いのが「居酒屋」で179件。前年の161件をすでに約1割上回り、過去最多を更新した。また、「日本料理店」も75件で過去最多。フレンチレストランなど「西洋料理店」は94件で過去2番目の高水準となっている。
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売上回復が遅れているのは居酒屋、レストランの2業態
日本フードサービス協会が発表した「外食産業市場動向調査」によると、10月の外食市場は売上高ベースで前年比94.3%だった。緊急事態宣言が発出された4月に前年比60%台まで急減したが、緊急事態宣言が解除された5月以降は厳しいながらも回復傾向で推移。また、政府の飲食店支援策「Go Toイート」が実施されたことも好材料となった。
しかし、全体の水準を上回っているのはファストフード業態やファミレス業態の中華・焼肉のみ。宴会や法人需要の多い居酒屋やレストランでは回復が遅れている。
外食大手も業績悪化で閉店相次ぐ。ワタミは焼肉に業態転換
外食チェーン大手でも新型コロナウイルスの影響による業績悪化で閉店や業態変更が相次いでいる。ロイヤルホールディングスはファミリーレストラン『ロイヤルホスト』や天丼チェーン『天丼てんや』など約90店を閉店。ワタミは全店の約2割にあたる114店を閉店、『和民』など居酒屋120店を『焼肉の和民』に業態転換する。すかいらーくホールディングスはファミリーレストラン『ガスト』『ジョナサン』など約200店を閉店、残る店舗の一部も空揚げ専門店『から好し』など、集客効果を高められる業態への転換を進めるという。
「第三波」が到来し、再び感染者が急増している。営業時間の短縮が要請された都道府県もあり、飲食業者からは「11月の感染増加で再び客足が落ち込みはじめた」といった声もあがっている。帝国データバンクは「年末にかけて飲食店の倒産や閉店、廃業がさらに増える恐れがある」としている。