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『焼肉きんぐ』の戦略を支える「順番待ちシステム」。時短営業での回転率アップや三密対策にも

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『焼肉きんぐ 板橋前野町店』店長の永田翔馬さん。入り口付近には「EPARK』の順番待ちシステムが設置されている

コロナ禍で業績不振に陥る飲食店が後を絶たない。そんな厳しい状況の中でも好調を維持し続けているのが焼肉業態だ。焼肉店は換気が行き届いており感染対策がしっかりと取られていること、また、コロナ禍で外食が制限される中、限られた楽しいひと時を焼肉店などで家族とともに過ごす人が増えたことが主な理由だと考えられる。

しかし、こうした業態自体のアドバンテージを差し引いても、全国に250店舗以上を展開する『焼肉きんぐ』の快進撃は、すごいと言わざるを得ない。同店を運営する株式会社物語コーポレーションの月次売上高前期比を見ると、焼肉部門における上半期(昨年12月まで)の既存店売上高は、この外食不況下において昨対比105.7%を示している。2度目の緊急事態宣言が発令された今年以降はやや下降しているものの、この数値は驚異的だ。

そこで今回は、『焼肉きんぐ』の強靭な店づくりのポイントついて、株式会社物語コーポレーション焼肉事業部・事業部長の山口学さんをはじめ、事業推進グループ統括マネジャーの益田英典さん、広報・IR室シニアマネジャーの船越真史さんに話を伺った。

焼肉事業部・事業部長の山口学さん。取材はオンラインで実施(写真提供:物語コーポレーション)

メニューは年5回リニューアル。飽きさせない努力で常連客を掴む

1回目の緊急事態宣言が発令された昨年4月、『焼肉きんぐ』は感染拡大防止の取り組みとして、直営店舗全店における35日間の休業を意思決定した。山口さんは当時を振り返り、「あの時は会社がなくなるかと思った」と話す。

「それでもお店の営業を再開したら、ありがたいことにとても多くのお客様にご来店いただけました。当時は多くの方が外食の機会を減らしていたので、ここぞというお店だけに足を運ばれたと思いますが、そういった状況の中でも、『焼肉きんぐ』がお客様にとって“選んでいただけるお店”であれたことは大きいと思います」(山口さん)

つまり、宣言明けの対策が功を奏したのではなく、これまでの努力が実を結んだというわけだ。ではなぜ、選ばれる存在になれたのだろうか。山口さんはその理由について「店長をはじめとした、スタッフ一人ひとりの日頃の頑張りがあったからこそ」と前置きしたうえで、以下のように語ってくれた。

「例えばメニューに関しては、幹部による試食会を週2回ペースで行い、常にブラッシュアップし続けてきました。いつも変わり映えのしないメニューでは、お客様も飽きてしまいます。なので『焼肉きんぐ』では、期間限定分も含めて、年に5回以上メニューのリニューアルを実施しています。“足を運べばいつも新しい味に出合える”という楽しみを提供するために、今後もブラッシュアップし続けていきます」(山口さん)

『焼肉きんぐ 板橋前野町店 』の店内。15時でも多くのお客で賑っていた

ファミリー層に支持され「地域一番店」に

またコロナ禍においては、郊外の大型店舗として出店してきたことも、大きな勝因だったと言う。

「飲食店へ行く機会がどんなに減っても、家族での外食需要だけは最後まで残ると思うんです。『焼肉きんぐ』がファミリー層をしっかりと取り込めたのは、やはりベッドタウンである郊外に集中して店舗展開していたからこそ。さらに大型店であることで“家族でゆったり座れる”という安心感もあり、ご家族が『焼肉きんぐ』を選びやすかったのだと思います」(山口さん)

コロナ禍で飲み会の自粛が広まる中、少ない外食機会を家族とともに過ごしたいと考える人は多い。『焼肉きんぐ』は、現状最も外食需要の高い層において、重要なニーズを満たしていたのだ。もちろん、こうした郊外エリアに住むファミリーたちが同店を選んだ理由は、これだけではない。

「各店舗がそのエリアにおける最も良い立地で、最も必要とされる『地域一番店』であることを目指しています。そうなるためには、人とのつながりや、温かみを感じられる店でなくてはならない。飲食店はこれからますます機械化が進んでいくと思いますが、だからこそ、接客などでアプローチしていくことが、より大切になると思っています」(山口さん)

広報・IR室シニアマネジャーの船越真史さん。船越さん曰く、「来店客の大半はリピーターのお客様」とのこと

そうした話の折、山口さんは各店舗で行っている“焼肉ポリス”というユニークな取り組みを例に挙げた。

「各店舗のホールスタッフは“焼肉ポリス”として店内を巡回し、お客様による肉の焼き過ぎなどを“取り締まって”います。彼らの役目はお客様にベストな肉の焼き方や、食べ頃の焼き加減などをご案内することです。お客様に一番美味しい状態で召し上がっていただくために、昔で言ういい意味での“おせっかい”の実現を目指しています」(山口さん)

こうした取り組みからは、単に料理を提供するだけでなく、一人ひとりの口に入るまでしっかり責任を持ちたいという姿勢が感じられる。この誠実さも、家族で訪れたくなる心地いい安心感につながるのだろう。

事業推進グループ統括マネジャーの益田英典さん

好調を支えた最強インフラ「多機能順番待ちシステム」

しかし、かつては人気店ゆえの悩みもあった。

「待合スペースには、いつも入店待ちのお客様があふれている状態でした。会計に並ぶお客様もいらっしゃるので、入り口付近は常に混雑していましたね」

山口さんは以前の店の状態をそう語る。しかもフロントでは、予約や混雑状況を確認する電話がひっきりなしに鳴っていたという。この対応に加え、入店待ちのお客様の接客とテーブルの割り振り、さらには店外で待つ方への電話の呼び出しまで、一人の従業員が行っていたというから、その多忙ぶりは容易に想像がつく。

「ご来店順に、受付のボードに名前を記入してもらう形で管理していたのですが、順番が入れ替わってしまったり、誰が先に並んでいたお客様かわからなくなってしまったり、なんてこともよくありました。お伝えする待ち時間の目安も定かではなかったので、並ばれている途中で帰られてしまうお客様も多かったですね」(山口さん)

「EPARK」の順番待ちシステム。受付時点の正確な待ち組数がわかるのも、メリットのひとつ

こうした煩雑さを解消するために、2015年から導入を進めてきたのが、「EPARK」の順番待ちシステムだ。コンピューターによる厳密な管理が実現するうえ、お客様はWebや店頭の発券機で受付を済ませるだけで、店外で自由に時間を潰せるようになる。正確な待ち時間や前に待つ人数などもスマホから随時確認できるため、待っている間もストレスフリー。機会損失を抑えるという面でも貢献度は高い。山口さん、益田さんは口をそろえて言う。

「我々にとって特に画期的だったのは、自動音声による電話呼び出し機能ですね。今は“密”を回避するためにも、駐車場の車内など、基本的に店外でお待ちいただくことを推奨しているのですが、こちらからアナログ式に電話をかける必要がなくなったことで、業務がずいぶん効率化しました。その分、空いた人的リソースは、主に料理の提供や接客に投資しています。うちはご注文のほとんどが時間制の食べ放題コースなので、料理の提供スピードを上げることはお客様の満足度を上げるうえでもすごく大切なんです」(益田さん)

「EPARK」の順番待ちシステムには自動音声による電話呼び出し機能(オプション)が備わっている

順番待ちシステムは「回転率の最大化」につながる

また、時短営業下においては、これまで以上に回転率を上げることが重要だと話す山口さん。「EPARK」の順番待ちシステムは、その点においても有効だという。

「前年に対しての売上だけで見ると、2月は営業時間短縮の影響で落ち込みましたが、じつはそれでもお店は常に満席の状態でした。ここで売上を伸ばすには、どう回転率を上げていくかが課題。そのために徹底すべきことを整理すると、退席後の迅速な片付けと空いたお席へのスムーズなご案内、これに尽きるんですよね。こうした仕組み作りは、順番待ちシステムがあったからこそ実現できた部分だと思います」(山口さん)

「EPARK」を導入したことでサービスが向上したのはもちろん、業務効率化も図れたという

順番待ちシステムは、席予約ではない。つまり、例え順番待ちの途中でキャンセルされたとしても、「先頭」の人から順にどんどん案内していくことで、回転率を最大化できる。この効率性は大きな魅力だ。最後に、山口さんに今後の展望を聞いた。

「現在は『焼肉きんぐ』のオリジナルアプリから、直接『EPARK』の順番待ち予約ができるよう、システム上の導線を引いています。今後はさらにお客様にとって利用しやすい仕組みをお取引先様と一緒にタッグを組みながら作っていくつもりです」(山口さん)

コロナ禍において、飲食店のあり方が問われる昨今。『焼肉きんぐ』の揺るぎない強さは、店舗でしか体験できない楽しさの提供と、その実現を根底から支えるシステムの活用術にあると言えそうだ。

■「EPARK」順番待ちシステムの製品概要はこちらから
■「EPARK」順番待ちステムに関するお問い合わせ・導入相談はこちらから

■取材協力:株式会社物語コーポレーション
〒440-0831
愛知県豊橋市西岩田5-7-11
https://www.monogatari.co.jp/

■撮影協力:『焼肉きんぐ 板橋前野町店』
住所/板橋区前野町6-10-77
電話番号/03-6454-5390
https://epark.jp/detail/wait/174489

[提供] 株式会社EPARKグルメ

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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