飲食店ドットコムのサービス

スマホ決済の手数料が7月から順次有料化。飲食店への影響と主要各社の比較

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

画像素材:PIXTA

国が主導して行ってきたキャッシュレス決済の推進事業が一区切りを迎えた。これまでは無料だったスマホ決済の手数料が、2021年7月より順次有料化されている。

【注目記事】飲食店向け「補助金・助成金」まとめ第3弾。新たな支援策も!

大手スマホ決済の決済手数料は約3%が相場

2021年7月から順次有料化された決済手数料は、事業者によって大きく異なっている。大手事業者を中心に、スマホ決済の決済手数料を比較してみよう。

・Suica、PASMOなどの交通系ICカード…3.24%
・楽天ペイ…3.24%
・PayPay…無料(2021年10月1日以降は未定)
・LINE Pay…無料(2021年10月1日以降は2.45%)
・メルペイ…2.6%
・au PAY…無料(2021年10月1日以降は2.6%)
・d払い…2.6%
※2021年7月15日現在

最大手であるPayPayの動向が未定だが、ほかの決済事業者は概ね3%前後の手数料に引き上げられている。ちなみにd払いとメルペイは共通のQRコードを提供し、ともに決済手数料を2.6%に引き下げてユーザーの取り込みを図っている。今後の状況によっては、決済手数料の値下げやライバル同士の協業により、勢力図にも大きな変化が生まれるかもしれない。

画像素材:PIXTA

【注目記事】飲食店が活用できる「給付金・補助金・助成金・融資制度」総まとめ -最新版-

スマホ決済を取りやめた際の飲食店への影響は?

スマホ決済の導入時は「決済手数料が無料」というメリットがあった。しかし、有料となった今、引き続きスマホ決済を続けることをためらう店舗も少なくないだろう。そこで、スマホ決済を取りやめるメリットとデメリットをそれぞれ比較してみよう。

■スマホ決済を取りやめるメリット
1、決済手数料の負担がなくなる
2、入金までのタイムラグがなくなる

最大のメリットは「売上から手数料を引かれなくなる」ということだろう。もともと飲食店は利益率が低く、手数料として3%が引かれ続ければ経営に影響が出てしまうケースもあるだろう。

■キャッシュレス決済を取りやめるデメリット
1、顧客の損失が生じる可能性がある
2、現金管理によるリスクの増加
3、売上管理の作業時間増加

現在、スマホ決済最大手のPayPayは登録者数が4,000万人を超え、スマホ決済はもはや特別なものではなくなったことがわかる。この現状で、スマホ決済という選択肢を捨ててしまうことは、顧客の損失を招く可能性は否定できない。また、スマホ決済をやめれば現金を扱う機会が増える。その分、売上管理などの作業により時間を費やしてしまうだろう。

売上に対してスマホ決済の比率がそれほど大きくなければ、取りやめても問題は少ない。しかし、すでにスマホ決済が多くの割合を占めている場合は、現在享受しているメリットを失うことも念頭に置いておきたい。キャッシュレス決済を取りやめることで生じるメリットとデメリットをきちんと考え、慎重に決断をした方が良いだろう。また、スマホ決済の手数料も今後変動する可能性があるので、動向を注視していきたい。

【注目記事】飲食店も利用可の「一時支援金」、申請期限が約2週間延長

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
熊本憲一

ライター: 熊本憲一

出版社時代に、グルメガイドやレシピ本などの取材・編集を多数経験。フリーランスとして独立後は、撮影も行う取材ライター、編集者・Webディレクターとして活動中。現在は、企業の広報やPR、コンテンツディレクションを行うほか、自身も飲食店での調理・接客経験あり。